子ども達へ向けた宇宙の本
★★★★★
飼っていた猫との会話から繰り広げられる宇宙のお話。
人や動物達は亡くなったらどこへ行くの?
空に輝く星になるんだよ。と、言うのは良く聞くお話。
しかし、この本はもっともっと専門的に宇宙のことを教えてくれます。
そして、量子、素粒子、などなど、専門的な言葉をわかりやすく
きちんと専門用語を使用してあり、子供向けにわかりやすくなっていますが
アバウトな表現ではなく、立派な科学書になっている絵本です。
大人の人でも、壮大な宇宙の成り立ちや未来のことを
理解するのに良い本だと思います。
優しいメッセージ
★★★★★
宇宙と生き物(人や猫や)、ともに生と死がありますが、
双方の生死を描いたすごい絵本です。
愛猫カロアを失った実体験がなければ、とてもこんな本は
かけないでしょう。
宇宙とは何か、科学的に分かっている事実と、その意味を
探究せずにおれない主観がいい形で融合していると思います。
絵本だけに、宇宙論という難解な分野が分かりやすく描かれて
いるのは、さすが作者の長年の成果だと思います。
絵もとてもキュートでした。
静かな気持ちで読んでもらいたい逸品☆
素敵な宇宙絵本
★★★★★
猫好きサイエンスライター、竹内薫さんの本は、何冊も読ませていただいており、どの本もそれぞれ、ポピュラーサイエンスものとして優れた仕上がりだと感じていましたが、この本は特に、竹内さんの愛猫カロアへの思いが表に出た、素敵な本となっています。ポピュラーサイエンスの本で、これほど心に響いたものはこれまでありませんでした。
猫のカロアが、最新の宇宙物理学の知見を美しく易しい言葉で、しかも的確に語っています。このような本が書ける竹内さんの科学に対する理解の深さと、文系の素養の深さを改めて実感しました。(理系の知と文系の知のバランスが必要とは、竹内さんも『シュレディンガーの哲学する猫』で述べておられますが、自らそれを実践しておられるのがよくわかりました。)
わたしも猫好きで、世代も竹内さんと同じ、しかも専門分野も重なるので、以前から好きな著者ではありましたが、この本でなお一層好きになりました。宇宙物理をまったく知らない人が本書を読んで、どのように感じられるかはわかりませんが、科学に感心のある人なら、おそらく子どもであっても十分に理解できると思いますし、竹内さんのメッセージを心で受け止めることができるのではないかと思います。しかも、イラストも含め、本全体が、美しく、楽しめるものだと思います。親しい人へのプレゼントにもしたいと思っています。