全16章のそれぞれの章が一つの文法事項をあつかっています。そして各章がいくつかの節に分かれていて,各節ごとに(1)「生徒のつまづき」という実際に生徒が書いた間違った英文が提示され,それのどこが違っているかの解説があります。それに続いて(2)「指導のポイント」が示され効果的な文法指導が行えるようになっています。
また「生徒質問箱」というコラムでは「anotherかthe otherか」といった実際の授業の中で生徒から出てくるような素朴な疑問に明快な答えが与えられています。
こう書くとまるで重箱の隅をつつくような細かな文法をあつかう本のようですが,実際には著者が「コミュニケーションのためのライティング」の推進者であるとまえがきで書いているとおり,十分にコミュニケーション活動を念頭に置いた,書くための文法指導書であるといえます。
現場で長年高校生を指導する中で,このような有益な情報を提供された著者に敬意を表します。