完璧すぎて…
★★★★☆
私が買ったことのある彼女のCDは、これが今のところ最初で最後ですが、ここに収録されているブルッフの協奏曲第1番とスコットランド幻想曲の2曲を聴けば、「日本が生んだ最高のヴァイオリニストは諏訪内晶子だ」と断言できます。世界的にみても、10年に1人の逸材ではないでしょうか?
音色、演奏技術、表現力等どれをとっても、超一流だと思います。欠点といえば…特になし。完璧です。彼女のスコットランド幻想曲を聴けば、超有名な某演奏家が、如何にいい加減で子供騙しの演奏をしていたのか判ると思います。
ただ…無い物ねだりの私には、余りに完璧すぎて、逆に精神的余裕の無さが感じられる演奏でもあります。つまり、聴いていて息苦しく楽しくない。その意味での「音楽」にはなっていないと思うのです。
マリナーと諏訪内さんの組み合わせ。いつの日にかアマデウスもよろしく。
★★★★★
瑞々しいとの表現がぴったりの演奏。
バックにマリナーとセントインザフィールズ。
この組み合わせなら、いつの日にかモーツアルトの演奏を期待したい。
みなさん、そう思いませんか?
バッハの味付けのありそうなモーツアルト、どんなんだろう?
ジャケットの黒髪、素敵です。
ジャケット裏も初々しい。
いうことなし、名盤です。
この曲を好きにしてくれました
★★★★★
ブルッフはヴァイオリン協奏曲としては位置づけが微妙な様な気がします。
どういうことかと申しますと、形式に乗っ取った古典的でもない、かと言
い作曲者の生きた時代であっても斬新なこともやってはいるわけでもない。
また技巧的でもない。素人ですがこの曲に対する私のイメージはそんな感
じで実演も聴いた(演奏者は全く思い出せない)のですが特に好きになれ
なかった曲でした。
しかし、この諏訪内さんのデビュー盤ということで発売当初勢いで購入し
て聴いてみたらイメージがガラリと変わりました。何が原因なのかなと考
えまして一つ思ったのは諏訪内さんの明るくしっかりした音色なのかと思
います。マリナー指揮のオケが全く遠慮なしに響かせているのに、ソロが
まるでかき消されない。かと言い、力んだところは感じられない諏訪内さ
んの演奏にまず魅了されたのです。そして、この曲のフレーズが耳にこび
り付いて仕事中も頭のなかで鳴っているという現象が起きました。という
ことは、実はこの曲の魅力はメロディーの素朴さにあったのだと気付きま
した。私は日本人贔屓ではなく、むしろ日本人演奏家を偏見をもって聴く
傾向にあるのですが、この様に曲の魅力を日本人が教えてくれたのはこの
諏訪内さんのブルッフだけです。私は女流ヴァイオリニストとしては
キョン・ファが好きなのですが、この曲に関してはキョン・ファの旧版、
新版よりもこの諏訪内さんを採りたいです。
発展途上の“習作”
★★★☆☆
諏訪内さんの表現が練れてくるのはまだこの後のことであり,デビュー作の本作品ではやはり音を置きにいっている感じが否めません.特にコンチェルトの演奏の方で顕著ですが,ぎこちなさにはらはらさせられる箇所すらあります.このコンチェルトを同じ女流のチョン・キョンファ+テンシュテットの演奏と聴き比べてみてください.最初の5分間,いや3分で,聴き手の感情の最深部を揺り動かす力をもった本物の芸術家による熾烈なまでの音楽表現と,発展途上のヴァイオリニストの“習作”の違いがはっきりすると思います.
素晴らしいブルッフでした。
★★★★★
私の友人が、桐朋学園のヴァイオリンの先生が、諏訪内さんと同じだったそうで、レッスン待ちしていると、まるでCDのように素晴らしい音色がいつも流れてきたとのこと。そんなこともあって、ブルッフは初めてだけど、諏訪内さんの演奏を聴いてみようと思い、購入しました。ステレオで、初めて耳にしたその音は、圧巻でした。ブルッフの曲調も物悲しく、心の奥深くにずしりと響きました。とにかく、音色が美しい。これを聴かずして、ブルッフを諏訪内を語るなかれ。