平凡な演奏
★☆☆☆☆
どんなに歴史的名演と言われようと、私はこの演奏から何も感じなかった。
気持、気迫のようなものが全く伝わらない、ただ綺麗な演奏である。
評判を聞いていただけに、非常に残念だ。
私は、録音の良い音楽が好きであり、従ってフルトベングラーのような古い演奏は、
凄いとは思うがあまり聞きたくないのだが、このCDの後にフルトベングラーを聞くと
瞬くうちにその演奏に引き込まれた。音楽は音質ではないと感じた。
フルトベングラーと比較するのはかわいそうかもしれないが、
これ程期待はずれのCD購入は初めてだ。
交響曲第1番はいい・・・
★★★☆☆
交響曲第1番はスゴクいい。
でもその調子で第3番やられても僕は食い足りない。
1,2番と3番の間には深淵がある。この演奏じゃこの深淵は存在しない。
3番でベートーヴェンは一音楽家であることを超え、「事業」を興す世界精神に触れたのだと思う。
この演奏は、一音楽家であることから決して一歩も前に出ない。おそらく敢えて。自分の分際をわきまえているのだろう。
しかし何かに立ち向かうための勇気をもらうために人はこの曲を聴くんだよ・・・
私の最愛聴盤
★★★★★
私は今から約20年前、初めてこの演奏をオープンテープで聴いた。
それ以来、千回以上、この演奏を聴いているはずだ。
私のペンネームを見れば分かるように、私の一番好きな曲は、ベートーヴェンの交響曲第3番だ。その演奏の中で、一番好きなのが、この指揮者のものなのだ。
冒頭の和音の緊迫感と終楽章の最後の55秒に入る前の0.5秒ほどの沈黙。この二つは誰の目にもつく特徴である。
終楽章冒頭の音が、やや濁るのが残念だが、他は満点。
フルトヴェングラーは、第5や第9では申し分ないが、EROICAでは決定打がない。だから第3のベスト演奏はイッセルシュテットなのである。
これがオールド・スタイルのスタンダード
★★★★★
ベートーヴェンは、その人生の存在そのものを賭けて交響曲を作曲した。彼が創りだした九つの交響曲が全て名作なのは、その魂の込もり方の徒ならぬ大きさにこそある。
このアルバムはその中の記念碑的第一作と、世にも名高いベートーヴェンが遺した最高傑作の一つ、音楽史上の金字塔「英雄」が納められている。
演奏もオールド・スタイルながら、後世にまで名演と語り継がれるべき正統派の堂々たるそれである。これで文句があるかと言わんばかりの内容だ。ベートーヴェン・サウンドの真髄を、このアルバムでこそ味わおうではないか!