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愛しあう

価格: ¥1,470
カテゴリ: 単行本
ブランド: 集英社
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いまひとつ ★★☆☆☆
浴室など初期の頃のトゥーサンの話が好きなので
この小説はいまひとつでした。
別れの予感のある、 ★★★★☆
日本を舞台にしたフランス人カップルの別れを描いた小説です。

日本の新宿のホテルに時差ぼけで睡眠不足のフランス人カップルが別れることを予感していながらも認める事の出来ない感じをとても丁寧に描いています。女はフランスのデザイナーで金持ちで、美人。男は(男を主人公にした1人称で語られます)立場のはっきりしないつきそい。男は硫酸の入ったビンを持ち歩き、それを持つ事によって「誰かに投げつけようとすれば出来る」という緊張感を楽しむような男。女は周囲の人間には高飛車だが、恋人の男の前では泣くことが多い。

そんなカップルの別れを日本を舞台にした物語です。別れる予感があるからこその、不自然な行為が起こってしまう自然さみたいなものがとても良く描写されています。またとあるアクシデントと別れる事が結びつく事でその不安定感とネガティブさがとても増します。

日本人でも、フランス人でも、別れは大変だ、と思うことで少しは救われたい様な方、丁寧で綺麗な描写を好まれる方にオススメ致します。
雪の朝、新宿の高層ビル街に地震が発生して…… ★★★★★
デビュー作「浴室」から17年、という帯のコピーを見て、トゥーサンファンとしては感無量。これまでどちらかと言うと愛の始まりを独特の筆致で描いていたトゥーサン氏が愛の終わりを描いているのも、その舞台が新宿と京都なのも、涙もの。勿論ありきたりのストーリーや心理描写とは一切無縁なのに、ここまで感情移入させるトゥーサン節は健在。私たちは主人公の年齢も職業も知らされぬまま、一頁目から愛の終焉の重たいシチュエーションに入り込む。この愛がどのように始まり、なぜ終わるのか、そんなことはどうでもよくて、目の前に描き出されるプールごしの新宿の夜景が、ホテルのスリッパのまま飛び出した夜明けの裏町で足にしみ込む泥まじりの溶けた雪の冷たさが、やけどしそうに熱い缶入りカプチーノが、愛の終わりにつきものの、ほとんど眠らない人特有の時間感覚、身体感覚をリアルに表現し、胸をしめつける。やがて二人の間の夜が明けて、新宿の高層ビル街が地震に揺れ……このシーンの描写は圧巻。トゥーサン氏が挑戦し続けるのは、安っぽい心情から導き出される安易な言葉から逸脱し、言葉が導き出す、言葉しか導き出しえない心理を、言葉だけで構築することなのだ。
Making Love ★★★★★
「愛し合う」ってタイトルと、これまでのトゥーサンの作品の流れから、ゆるゆるとした幸せに満ちた物語であろうと判断していたら・・・雨のしずくをたっぷりと含み今にもそのしずくが零れ落ちそうな、重々しい灰色の雲のような、そんな物語だった。「愛し合う」の原題は英語のMaking Loveとのこと。つまり「セックスをする」ということ。で、登場人物は別れを目前にしたフランス人の男女。異国の地日本で、別れるために旅行をする中で物語は展開する。ひと時の幸せを分かち合った二人の別れの物語は、恋愛を一度でも経験した大人ならたいてい誰でも経験したことがあるのではないか?と思う。それが、丁寧に描かれている。性がこんなに哀しいものなのか・・・と切なくなりながら読んだ。恋人との仲があやしくなり始めたころから主人公がポケットにしのばせた塩酸の行方も、う~ん、と唸ってしまう。いままでのトゥーサンの作品とは一味違った世界が楽しめる。