「テレビを見ない」という単純なことをするだけで、日常生活が違った視点から見えてきます。主人公の「ぼく」を通して自分の生活も考えさせられるところが多くあり、エンターテインメント小説とは異なる粋なおもしろさと、途中読みながらげらげらと笑ってしまう抜群のユーモアセンス、そしてアメリカ文化が多く入ってくる日本ではあまり身近には感じられない現代ヨーロッパ文化が垣間見える、いろいろな面でおもしろい作品だと思います。