このベルリの秋は史実というよりは、東と西の体制に阻まれる2人恋愛が書かれている作品で、作品自体の格の高さではプラハの方が上と思いますが、こちらのシルビアの方が人間味があり親近感を持って、また、シルビアの亮介に対する一途な思いに涙し、その亮介との運命に圧倒されながら、一気に読んでしまいました。
波乱を乗り越え、作品の終盤にシルビアが亮介と出逢ったころを回想するシーンが出てきますが、ここを読むとまたプラハの春を読みたくなるという恐ろしい事態(笑)に陥ってしまうくらい、プラハもベルリンも何度も読み返した作品です。