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文庫本福袋 (文春文庫)

価格: ¥900
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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チビリ、チビリ、酒でも嘗めるみたいに読み進んだ。 ★★★★☆
 坪内に『古くさいぞ私は』(00)という著書があって、確か浅田彰がどこかで、「分かってるよ、そんなこと」みたいに揶揄していたのを読んだ記憶がある。そりゃ、浅田の世界とは全然違うしね。
 この本で1冊、坪内は嫌っている本を取り上げていて、それは三島由紀夫・東大全共闘の対話の記録である『美と共同体と東大闘争』で、「不快。そう、今回初めてこの本を通読してみて、まず私がいだいた気持ちは、不快感だ」(p49)とまで言っている。坪内からしたら浅田は、東大全共闘の若者たちのように「観念的で小利口で、しかもズル」い人間に見えたかもしれない。
 で、今は浅田よりは坪内が読まれる時期で、私はそれは要するに不景気なんだと思ってる。坪内がフリーになったのが90年で、まさにバブル崩壊の始まりの年っていうのも、意味深じゃない? ま、こういう閉塞感の漂う時代の空気を吸いながら坪内を読むのは、けっこう気持ちいい。あんまり前向きな気持ちにはなれないけど…坪内は木村荘八の「米国人は『岩』を作ることに『得手』だが、それにつく『苔』は了解しない」という言葉を引用して(p327)、自分は「『苔』を見分ける力のない人間」の単純さが嫌いだと述べている。
 ただ、樋口一葉「たけくらべ」の一節を引いて「つまり公立の小学校の方が私立より格が上なわけである。現代と比べると逆な感じがする」(p78)と言っているけど、これって実は都会の感性なんですね。その辺、坪内って良くも悪くも東京地方人なんだなって思うんですけど、東京の「苔」には敏感でも、もう少し広いスケールで「苔」に気づくのは、案外苦手なのかも。
文庫の道先案内人 ★★★★☆
私好みの本が書評されていた。もうすでに読んだ本も数冊、これから購入しようかどうか迷っていた本も多数あった。多読の坪内祐三が一般読者向けにやわらかめの本をリストしたと言える。リストされた本の総数194冊。山田風太郎、三島由紀夫、田中小実昌、平井呈一、野坂昭如、荒俣宏、川本三郎、殿山泰司、泉麻人、赤瀬川源平、生田耕作、色川武大、村松友視、岡崎武志、横尾忠則、滝田ゆう、小林信彦、ナンシ関、庄野潤三、安藤鶴夫、木村荘八、長谷川町子、嵐山光三郎、青山二郎、吉行淳之介、安岡章太郎、小沼丹、内田百閒、小沢昭一、片岡義男、東海林さだお、村上春樹、澁澤龍彦、岡本太郎、山本夏彦、谷崎潤一郎、ジェームス・ジョイス、トールマン・カポーティ、リチャード・プローティガン、・・・・著作。現在、ほとんどが入手可の文庫である。
年末の読書にどうぞ ★★★★☆
某雑誌の連載を読むたびに「こんなに呑んでばかりいて坪内さんの肝臓は大丈夫だろうか・・・」と心配になる著者の新刊です。さすがの読書家、大変参考になりました。ジャンルにかたよりがなく、守備範囲が広いのが雑読の自分向きです。このところ、坪内さんの本は見かけると買うようにしていますがハズレがありません。