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日本人が忘れてはいけない美しい日本の言葉 (プレイブックスインテリジェンス)

価格: ¥767
カテゴリ: 新書
ブランド: 青春出版社
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意外にテンション高め ★★★☆☆
第一章は、ゆかしい、おもはゆい、たまゆら、たゆたう、身ぎれい、たなごころ、といった、響きも含めて美しい言葉が並んで和みます。1語につき1ページで読みやすく、辞書には載っていない筆者の見解が雑学としておもしろいです。

この調子の癒し系かと思いきや、第二章以降はがらりとトーンが変わります。粋とか江戸っ子といった風情が似合う、活気のある言葉が顔を出してきます。具体的には、ぼけなす、ちゃきちゃき、へなちょこ、がってん、てんやわんや、しこたま、村八分、破廉恥、ポンコツ、しょぼくれる、ちょろまかす、などなど・・・。
終盤の第五、第六章は、定型句とことわざで締められますが、相変わらずテンション高めです。筆者なりのいたずら心なのかもと、勘ぐってしまいました。
当初の印象とうらはらに、俗っぽい言葉が多かったですが、結果的にはいい意味で期待を裏切られました。
美しい言葉 ★★★★★
この本に書かれている言葉は出来れば遠い将来一つでも多く残って欲しいと思いました。
多くは「べらぼう」など江戸っ子のべんめい調のような言葉ですが、日本語独特の表現がよくみえました。
中には、「花明かり」など本当に日本人でも美しいと思う言葉があり勉強になりました。
後、個人的に読んでいて気付いたのですが、この日本独特の感覚は俳句にも現れているんだな、と思いました。なにより、俳句を英訳して、haikuにするとこの感覚は伝わるのかとも思いました。
美しい日本語は“やまと言葉“ ★★★★★
 まほろば、暮れなずむ、ひそみにならう、遣らずの雨と、憶えておきたい美しい日本語を、項目ごとに分けて説明した本。これらの選択は誰がしたのか分からないが、美しい日本語とは、やはり「やまと言葉」に落ち着くようだ。漢語はほとんどない。その中でも、「ぜひ残しておきたい」日本語の語源と意味を、一語に一頁を割り当てて解説している。

 解説は、語源、言葉の成り立ち、使われ方が、品のよい文章で簡潔にまとまっている。ゆったりと流れるように解説する口調は、昔の品のいい年取った高校の国語の先生を思わせる。
 この種の本には珍しく、索引が充実しているので、辞書のようにも使えるのもいい。これを読んで身につければ、相当の日本語通になれると思う。それも品のいい日本語の。

 不満をいえば、著者には分かりきった言葉の解説は馬鹿にするところか。例えば、「花嵐」「花に嵐月に雲」は「説明するまでもない」で終わり。でも私には分かりませんでした。本屋で探したら、『語り継ぎたい日本語』(ぶんか社文庫)には説明があったので、こちらを買って初めて「花嵐」の意味を知りました。ひどい遠回りをさせられた。

 青春新書に本を書くなら、もっと下に降りてきてほしいと思う箇所がある。どうも、やさしい解説を書くには、この著者は偉すぎるのかもしれない。

 本の装丁、デザインは丁寧で、紙質もよく、上品な雰囲気があって好感が持てる。上のような不満もあるが、それを補って余りあるほど全体によくできている。この本も、本で紹介された日本語と一緒にぜひ残ってほしいと思う。