インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

UNBOWEDへこたれない ~ワンガリ・マータイ自伝

価格: ¥2,310
カテゴリ: 単行本
ブランド: 小学館
Amazon.co.jpで確認
実直な「母の心」 ★★★★★
 まさに「へこたれない女性」――このワンガリ・マータイさんの激動の半世紀を読んで、不屈の精神をもっていることを実感した。
 ケニアで部族差別と女性差別に遭い、就職を拒絶される。
 政治家だった夫との離婚裁判では、裁判官を批判した罪で投獄された。
 木を植えただけで反政府運動家扱いされ、暴漢に殴られ流血。
 選挙に立候補すれば、デマと妨害で落選。職も追われ、3人の子供を抱えて路頭に迷うことに。
 それでも彼女はへこたれなかった。
 「忍耐強く、ねばり強く、そして全力で、絶えず前進する姿勢こそが民主主義」だという確信に貫かれた人生。
 その確信は、アメリカ留学中に学んだ公民権運動にもとづいているという。
 さらなる原点は、彼女の「母」の存在にさかのぼる。
 価値観を娘に押し付けることは一切せず、穏やかに娘を見守った「母」。
 「もったいない」という言葉に価値を見いだしたマータイさんの精神的骨格には、飾らない実直な「母の心」が貫いているのだろう。
 超人的に思える彼女だが、その心の核の部分は、私たち凡人にも、十分理解し共有できる。
 その共感から、平和も環境も、そして社会も改めていけると信じたい。
 そう思わせてくれる一書だ。
不屈の精神で生きる行動力に感歎する ★★★★★
「すへての経験に学びがあり、どんな状況にも希望の光はある」…このような意識を高く保っていれは、自分が正しいと信じることに前向きに取り組んでいける…そのようなことをグリーンベルト運動について初めて書いた小冊子にも載せられている。木だけを植えるプログラムではなく、知識も植えつけるプログラムと成長していった。問題の原因の究明、自由を阻むものとの闘争、そして、政治の扉を開ける。立ち上がり、歩こうとする行動力に驚嘆させられる。数多くの苦難にめげず、立ち向かい乗り越えた反省が微に入り細を穿って念入りに語られていて、惹き付けられる自伝である。【知性と行動力との相乗作用】を具現した女性の理想像を書中の笑顔に象徴的に見ることができる。
 本書エピローグは、訴えかけの最も高揚した「希望の大樹」である。末尾は次の一節である。これに対して何も付け加える言葉はない。それぞれの人の行動が残されているのみであろう。

 女性も男性も力を合わせてこの裸の大地に服をまとわせる活動が続く中、この青い惑星を心から愛する仲間は、世界中にたくさんいる。私たちには、ほかに行く場所はない。環境破壊とそれに伴う被害を目の当たりにすると、現状に甘んじるわけにはいかない。のんびりしている場合ではない。もし私たちが本当に重荷を背負うつもりなら、行動に移そう。私たちは、現在と未来のあらゆる種に対して義務がある、立ち上がり、歩くのだ!
負けてたまるか! ★★★★★
私が訳者なら、そういうタイトルでこの邦訳を出版しただろう。ワンガリおばさ
んは非常に意志の強い人だ。ケニアの独裁者モイ政権の断圧に決して屈すること
なく、ナイロビ大学の教授職を失い、夫にも見放されても、なお植林運動を続行
し、民主主義運動を展開し続けた勇ましい闘士だ。そして、3人の子供を女手一
つで、立派に育て上げた。こういう「たくましい」女性が日本にも将来出てくる
ことを、私は切に望みたい。この自伝(回想録)は、モイ政権の崩壊までを収録
している。しかしながら、新しい民主政権下で、彼女自身が環境省の副大臣となっ
てからの、彼女の活動ぶりがほとんど触れられていない。現職の政治家だから、
(摩擦を避けるために)口を謹んでいるようだ。将来チャンスがあれば、ケニア
まで出かけて行って詳しく取材し、勿論この「自伝」も参考にしながら、少年少
女向けの「他伝」(評伝)あるいは小説を、「ワンガリおばさん:その夢と冒険」
というようなタイトルで、いつか出版してみたいものだ。