インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

点と線 (新潮文庫)

価格: ¥515
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
Amazon.co.jpで確認
ファンになりました。 ★★★★★
今回初めて松本清張作品を読みました。
ある新聞記者から勧められて読みました。
表現が読みやすいのでスラスラと読めました。
内容は実に面白く、巧妙な罠を読み解くのにあたかも読者である私自身が解明していっているような錯覚に陥り、頭使って賢くなってるような気がしてしまうほどでした。
よくもここまで裏を考えついたものだと書き上げた清張に敬意を表したいです。
他の作品も読んでみたいと思います。
読ませる文章だ。 ★★★★★
これはすごい。
あっというまに引きづり込まれて読み切ってしまった。

アイデアもいい。
人間ならば、誰しもがひっかかってしまうところに、ちゃんと刑事もひかかって、読者も一緒に苦悩できる。

さすがに有名なだけある。

一流の推理小説とは、こういうものなんだろう。
超読み易い。 ★★★★☆
書かれた時期相応の古めかしさはあるものの、
読者に物語を「食わそう」とする誠意が感じられて、非常に読み心地が良い。超読み易い。

清張漁史の風貌には似ても似つかぬ(失礼!)ような良文であった。
純文学系作家の悪習である、難しい言葉で頁を埋めようとする傾向は微塵もない。
珍奇を衒う気が全く感じられず、読み手を引き摺り込むことを第一とした文章は、
個人的に美文ではなく良文と呼びたい。

物語がほぼ捜査する側の世界に終始しており、
物的証拠もかなり限られたものしか見出せなかったのはやや残念か。
まあ、証拠のことは作者自身も物語内で明確に指摘している訳ではあるが。
つまるところは亮子さんの趣味が個性的で、斬新かつ優雅であったのだ。

なお、鳥飼刑事の手紙に出てきた、
『この男の犯行に間違いないと信じたら、二押しも三押しもすることでございます。』
という文句はちょっと……警察のこういう思いが虚偽自白を誘発し、冤罪を生むのでは?という気もした。



余談ながら、平野謙氏のあとがきも面白い。

平野氏曰く、
『島崎藤村なら、わが運命のつたなさに涕くというようなポーズで、読者の同情を集めるところを、
わが松本清張はそんな被害者意識の私小説などに甘ったれないで、いわば犯罪小説すれすれのところまで、
主人公たちを居直らせたり、彼らの人間的呪詛を不合理な社会全体の仕組みのなかに普遍化したりするのである。』
と。

清張漁史と同年生まれの某作家を指しているように聞こえるのは私だけだろうか。平野氏の意図はいざ知らず。
絶望感の描写がうまい ★★★★☆
いわゆるアリバイ崩しの作品。
容疑者には鉄壁のアリバイがある。
わずかな手がかりを元に推理し、その裏付けを取ろうと調査すると、逆にそのアリバイを確固たるものにしてしまう。
この絶望感の描写がうまい。

刑事の視点から描かれ、容疑者の心理は一切描写されない。
これも逆に想像が膨らむ。

松本清張はお堅いイメージだったが、そうでもなかった。
すらすら読める本格派。面白かったです。
社会派推理小説の古典 ★★★★☆
機械工具商の安田は列車に乗る間際、行きつけの料亭「小雪」の美人
女中お時が男と、向かいのホームから列車に乗り込むのを目撃する。
一方、××省の汚職事件の捜査は大づめをむかえ、省庁の内部にまで
警視庁の手が伸びていたその矢先、玄界灘でその事件の鍵を握る実
務家、佐田が毒薬による情死をとげていた。その相手こそ、安田が先
日目撃したお時その人だったのだ…。


推理小説と二時間ドラマの世界で、没後も燦然とその名を轟かせてい
る作家、松本清張。この作品は彼の代表作の一つでありながら、同時
に処女長編作というのだからすごい。おばさま方が見たがる男女の情
愛のもつれや、刑事が出張しまくる必要が生じて、各所観光事業の促
進に寄与することになる時刻表を使ったトリック、なぜだか殺害現場に
選ばれる切り立った崖など、後世に連綿と受け継がれる「二時間ドラマ
的モチーフ」の数々がちりばめられている。

推理小説としてのこの作品の画期性については、解説にて評論家の平
野謙が明瞭に解き明かしてくれている。読めばわかるがこの作品の焦
点となるのは誰が犯人かではなく、「アリバイ崩し」である。そこにこそこ
の作品の画期性がある。

だが一方、問題のトリックについては今思えば、そこまでの奇抜さはない。
時代的な限界があるため、アナログな書類管理などには目をつぶるとして、
それでも平野に指摘されているとおりこのトリックにはある「欠陥」がある。

だから、劇中の「犯罪」として完成度はそれほど高くないと思われるが、そ
れ以上に作品の「外」へ、後続する作品へ遺した影響は、そのトリックの瑕
疵を忘れさせるほどのものだったのだろうと推測できる。