これはこれで傑作
★★★★☆
原作である漫画より一足早くの完結です。
アニメが改悪が多すぎてもはやギャグアニメという状態だったので
読み始めた当初は全然期待していませんでした。
登場人物を少し変えただけの平行世界ものだと思っていましたが、
1巻を読み終えたときその考えは間違っていたことに気づかされました。
一人一人の掘り下げがすばらしく新キャラクターは新しい物語を、もともと
いたキャラクターは戦う順番や場面が変わることによって漫画とはまた違った
面を見せることに成功していました。
2巻、3巻と期待を裏切らない展開が続き、契約者に選ばれなかった漫画の
キャラクター等をサブのキャラクターに加えながらたどり着いた4巻の最後、
この世界は守る意味があるかという衝撃の結末を迎えながらこの最終巻の
5巻は最初の契約者の最後の一人であるカンジの戦いから始まります。
この巻でアニメとも漫画とも異質なキャラクター、マーヤの正体とその目的が
明らかにされ、残されたウシロがどうするのかが見所になります。
漫画の派生として生まれたこの作品ですがそれなりにすばらしいまとめ方
だったと思います。漫画のほうは最近、鬼頭さん独特の「心の闇」みたいな
ものが薄くなってきて少し残念だったのですがこの小説の作者はその再現
を見事にやっていると思います。
漫画が好きな人はもちろん初めての人にもぜひ読んでほしいです。決して
明るい話ではないですが必ず心に問いかけてきるものがあると思います。
ちなみに最後は最後の敵(弦月)との戦闘で締めくくられてるんですが
その鬼頭さんによる挿絵を見て思わずニンマリしてしまいました。
分かる人には分かると思います。