格好良くスウィングするEvansお蔵名盤
★★★★★
Evansスタイルを確立しつつあった1959年始め、
Chet Bakerリーダー作録音の後残った三人で録音し、
その後18年もお蔵入りして熟成を待った名盤。
Philly Joe とChambersとのトリオ、悪い訳がありません。
スウィングするかっこいいEvansが聴けます。
曲の途中に、サンタが街にやってくる、の一節を入れ込んだり
お洒落に遊んでいます。カッカっとピアノを乱打し、かっこいい
フレーズを畳み掛けるEvans,良いですね。
On Green Dolphin Streetも悠々の演奏、三者の満足そうな顔が
浮かびます。
何故こんな良い盤がお蔵入りになったのでしょう。Evansが
リリカルスタイルへの移行期だったからでしょうか。
とにかく良い時代のかっこいいJazzが聴ける良い盤ですね。
7曲目は「All of You」or「Loose Bloose」!?
★★★★☆
同じタイトルで収録曲が違うんですね。買ってから気がつきました。私が買った物は「The Complete Riverside Recordings」からの「All of You」が収録されてました。
レビューが「Loose Bloose」収録の物と混在しているので注意!
イカシタ・フォー・ビート・スウィングのビル・エヴァンス
★★★★☆
この日のビルエヴァンスさんは乗っている。
普段の知的かつリリカルなピアノの音とは一線を画している。かなりバリバリに弾きまくっている。これもまた良しである。
クレジットをよく見るとバックのメンツが違っている。
有名なエヴァンスのピアノ・トリオ、例えば、ポートレイト・イン・ジャズ、エクスポラレーションズ、ワルツ・フォー・デビーでは、ベースがスコット・ラファロ、ドラムスがポール・モチアンの二人に固定されている。しかしながら、このピアノ・トリオ・セッションでは、マイルス・デイヴィス・クインテット時代のエヴァンスの元相棒だった、ポール・チェンバース(ベース)、フィリー・ジョー・ジーョンズ(ドラムス)がバックを付けている。流石にこの二人は良くスゥイングする。そのビートに煽られてあのエヴァンスも勢いに任せてガンガン行く。そこがジャス的で面白く素晴らしい。
初めのスタンダーズ6曲が、そのチェンバース、フィリー・ジョーとの録音。1959年の録音で、チェット・ベイカーのセッションで久しぶりに出会った三人が、プロデゥーサーのオリンキープニュースの勧めで小遣い稼ぎ?でやっつけたものらしい。あの美しいビル・エヴァンスのイメージを崩さぬ為?1970年代半ばまで未発表とされていた曰く付きの音源だ。
残りの1曲はエヴァンス自作の作品で、1962年にベースにロン・カーター、ドラムスにお馴染みのフィリー・ジョー・ジョーンズ、テナーサックスにズート・シムス、ギターにジム・ホールを迎えたクインテットセッション。エヴァンスらしく、一ひねり二ひねりを加えた珍しいブルース。
いつもと違うビル・エヴァンスがいて実に興味深い一枚だ。
1959年3月の貴重なセッションの録音です。ビル・エヴァンスのスタイルはすでに確立されていましたね。
★★★★★
『グリーン・ドルフィン・ストリート』はビル・エヴァンスの特徴でもあるリリシズムだけでなく、硬派のサウンドを聞く事もできるアルバムです。
ジャケットの写真の美しさが際立っていますが、演奏もシャープで多弁です。
ピアノはビル・エヴァンス、ベースがポール・チェンバース、ドラムがフィリー・ジョー・ジョーンズ、というトリオです。所謂マイルス・グループのメンバーで、マイルスの代表作である1959年3月にセッションを持った『カインド・オブ・ブルー』の直前に収録した作品です。そうした収録時期が演奏スタイルには大きく影響していると感じましたね。
表題の3曲目の「グリーン・ドルフィン・ストリート」が一番素晴らしいですね。軽やかで、雄弁なピアノを聴くことができます。ビル・エヴァンスの特徴でもロマンティシズムも随所で感じとれますし、フィリー・ジョー・ジョーンズのブラシを使った演奏がとても印象に残りました。
「知的で洗練されたジャズ」というビル・エヴァンスの個性が如何なく発揮された演奏で、この1曲を聴くだけでも値打ちがあるアルバムに仕上がっています。
1曲目の「あなたと夜と音楽と」も好きですが、他にあまり印象に残る曲が少なかったのでしょうか、『グリーン・ドルフィン・ストリート』自体はレコード化されずに15年ほどお蔵入りしました。
「グリーン・ドルフィン・ストリート」のセッションの完成度の高さを思うとお蔵入りしていたのが不思議なぐらいですが、今こうして聴くことができるのは幸せです。
美しい曲がいろいろ・・・
★★★★☆
スコット・ラファロ(ベース)、ポール・モチアン(ドラム)の「黄金のトリオ」を結成し数々の名盤を生み出す前に、ポール・チェンバース(ベース)とフィリー・ジョー・ジョーンズ(ドラム)と1959年に制作した一枚。後のトリオのような完璧、鬼気迫るプレイではないが、かなり出来はいい。ジャズ・ファンに愛される表題曲に加え、「あなたと夜と音楽と」などのビルの得意とする美しい曲も入っている。もちろん名盤である。(松本敏之)