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トップ・レフト―都銀vs.米国投資銀行 (祥伝社文庫)

価格: ¥750
カテゴリ: 文庫
ブランド: 祥伝社
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読む人が誤解する本 ★★★★☆
国際金融の現場、こうありたいと思う主人公が二人(きれいな役と汚れ役)がいて、読む者を惹きつける魅力は最高。
ただ、最後で、誤解を生じさせ易いのは「投資銀行≒商社」ということ。巷の証券会社のアナリストとか、投資銀行にいる人間が、商社と証券会社を合併させるべきだとか、変に誤解を生じさせないか心配。周りに、何人かいるけどね。

邦銀vs米国投資銀行!! ★★★★★
邦銀vs米国投資銀行!!

おもしろい。ディティールがリアル。そしてスリリング。

同じ日本人であるが、一方は邦銀のエリート、もう一方は邦銀に裏切られ若くして日本を見限った米国投資銀行家。その二人の男がシンジケーションの主幹事の座をかけて、国際金融の世界で火花を散らします。

状況を一変させる突如のTOB、終盤からラストまでのスピード感とスケール、そして第三の男の存在が小説としてのエンターテイメント性を高めます。
また、邦銀と米国投資銀行という視点をうまく使いながら、 邦銀の問題点(滑稽さ?)が描写されており、なかなか自虐ネタとして笑えます。 途中、実在の人物や金融事件が微妙にストーリに影響してきて、ニヤリとさせられるなど初めから最後まで非常に読み応えのある小説。
小説というよりは金融の(入門編)教科書 ★★★★☆
 全体として読後の満足度は高かったが、同著者の「巨大投資銀行」と
の対比で感じたこと。


 小説という形態を取っているものの、物語の本筋からすれば冗長とも
思える金融取引等の説明には若干閉口した。ただし仔細な描写が物語の
迫真性を高めている面もあり、単純には否めない。

 物語の背景や登場人物を通して浮かび上がる人間像は、物語全体を通
して一貫しているが、ややもするとステレオタイプ的な感じでもある。
隔世の感 ★★★★☆
この本を読み終わってこれを書いているのは2008年9月です。
先日、サブプライムが原因で米大手投資銀行リーマン・ブラザーズが事実上倒産。
東京三菱UFJがモルガンスタンレーに、野村證券がリーマンに、
そして噂ですが三井住友がゴールドマンに救済。
この小説の舞台は8年ほど前ですが、アメリカ投資銀行の圧倒的なパワーと
バブルの後遺症と官僚主義の邦銀の情けなさが対比して描かれているだけに、
その邦銀にアメリカの投資銀行が救済してもらうなどと誰が想像できただろうか?
金融ビジネスのスピードと危うさが証明された気がします。
今現在の経済ニュースと併せて読むととても興味深い本です。
国際金融の現場を垣間見ることができる快作 ★★★★★

海外のシンジケート・ローン(国際協調融資)の現場を描いた快作だ。

主人公は元邦銀のメガバンクに勤務していたが、学閥に属していないことから冷遇され、現在は米国の巨大投資銀行に勤務する龍花と、その邦銀のロンドン支店勤務でエリートコースを歩む今西の二人だ。

龍花を通して描かれる巨大投資銀行の利益至上主義は吐き気がするくらいえげつない一方で、気持ちがいいくらいの成果主義一本やりで勝者と敗者が二分されるプロフェッショナルな世界だ。一方今西が勤務する邦銀は、日本的な内向き社会で、下のものは頭取・役員といった上の意向ばかりを伺っている。

この両者が同じ土俵で戦ったら、どちらが勝つかは明らかであろう。しかしながら主人公の二人はそれぞれの世界で自己の哲学に従って全力を尽くして自己の案件に取り組んでおり、その姿には心を打たれる。特に邦銀に勤務する今西が苦心してトルコの案件をまとめていく姿は、土俵は違うが金融に携わるものとして正直言って感動した。

もう一つ本書を読んで強烈に感じたのは最初にも述べた巨大投資銀行の血も涙もない利益至上主義だ。現在サブプライムローンが問題になっているが、このような問題が発生する土壌がこの体質に潜んでいることがよくわかった。

それにしても本書に描かれている邦銀の情けなさはどうだろう。最終的には今西にさえ愛想をつかされてしまうのだから救いようがない。邦銀に勤務する一員から見ると、小説として誇張された部分があるが、当たっている部分もかなりあるのも事実だ。この内向き体質を変えないと世界では戦えないということだろう。

著者は元銀行員ということで、国際金融の現場が実にリアルにわかりやすく描かれているので、専門用語を知らない人も楽しめるし、金融に携わっている人にはより一層面白い作品に仕上がっていると思う。