ドタバタは抑え気味
★★★★☆
不運な犯罪プランナー ドートマンダー シリーズ。
初登場から30年以上たっているので、本作品には、インターネットやDNA検査が、使われたりする。時代は移れど、個性的な登場人物あいかわらずで、翻訳に間があいても、ドートマンダーファミリーは、すぐに、思い出すことができる(もっとも各作品の内容は、すっかり忘れているのであるが)。この時間感覚の無さと登場人物の個性の確立は、まさにサザエさん。
今回、ドードマンダーは、で出しから好調。が、序盤は、プランナーとしての、役割を全できず、仏頂面。いつもよりドタバタは抑え気味なので、取り組んでいる犯罪のテーマが面白いだけに、ラストの落としどころを含めて、ちょっと残念。
誰かに説明せずにはいられないプロット
★★★★★
なんてことはないこそ泥が主人公で、ちょっとした盗みからスタートするのですが、途中からストーリーがこんがらがってきて、おもしろいです。
特に、最後の盗みに入るシーンなどは、いったい何のためにその家に泥棒に入るのか、一言では説明できません。
風が吹けば桶屋が儲かる、ではありませんが、ある目的のために、あれが必要で、そのために、ああなってしまったから、あれが・・・・、などという感じです。
あまりに秀逸なプロットなので、誰かに説明したくなります。
文体も読みやすく、所々にちりばめられたギャグもおもしろいです。
軽妙
★★★★☆
ご存知ドートマンダーシリーズ長編第10弾。
今回もツキのなさは相変わらず。今回はインディオのカジノ利権をめぐり,アメリカのブラックコメディによくみられる墓場を掘り返して死体を移動させなければ・・なんてひどい立場にまで追い込まれるドートマンダーといつもの仲間たち。敵方も味方もうさん臭さがプンプンしていて,そのくせ憎めないキャラクター揃い。
ワンパターンといえばワンパターンだが,それでもページをめくる手を止めさせない著者の軽妙洒脱なストーリーテラーぶりは裏切らない。ともかく笑えます。
やっぱり不幸なヤツ
★★★★★
このテの作品は実際に読まないと、その面白さはわかりませんね。今回は作中でいつも憂鬱なドートマンダー氏ですが、ようやく上機嫌になるシーンには、こちらもつられてニッコリしてしまいました。未翻訳のものも含めて、続刊に期待します。