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自己コントロールの檻 (講談社選書メチエ)

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本(ソフトカバー)
ブランド: 講談社
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心理(学)主義化する社会に加担する人、踊らされる人 ★★★★★
著者は遠慮して言葉を選んでいるが、
これは、社会学者による心理学(者)批判、精神分析(学者)批判、カウンセラー批判である。

今、世の中は、自分や、他人の心を動かすノウハウが
金科玉条のようにもてはやされる時代である。
それは良いことなのか、正常なのか、を批判してゆく。

自己実現をしなければいけないと言う強迫観念、
勝間和代化だけが、自己実現の道だと思わせられる現代。
これらは、心ない(かどうか、これは不思議なことに白と黒、明らかに二分される
具体的に名を挙げる事はできるがやめておこう)
心理学者や、精神科医と言った人物が書き手になって
蔓延させた言説である。

バーチャルとリアルと言う二項対立する概念で 
心理学は明らかにバーチャルなのに、
その方が重要だとする社会が現代だ。

問題は社会でなく心の中にある、と言う考えは
時として、大変な間違った水路に導いてしまう
これはなんだ? ★☆☆☆☆
ともかく、他の人の著作からの引用文が多すぎる。
「こんな考えがあります」「こういう主張があります」と言うのは良いが、
著者の意見とは、考えとはどんなものなのか、まるで伝わってこない。
受け売り好きなオジサンのおしゃべりにしか思えなかった。
「感情マネジメント」について知りたければ、著者が引用した本を読んだ方が、
ずっと為になるだろう。
現代社会を下支えする心理主義・精神分析…派遣労働・犯罪報道にも潜むメカニズム ★★★★★
 知識社会学の方法を用いて、心理主義的言説がどのように要請・構築され、誰が誰のためにそれを用い、どのような効果をもたらすかを述べた著書。心理主義とは、著者によればマズローの欲求段階説を嚆矢とし、自己心理学による人格コントロールや「EQ」、感情の知性のコントロールおよび向上を訴える一派など、自らの心をコントロールすることで自己実現を叶えることができる、とする潮流のことで、それぞれの流派の要点を端的にまとめた上で「人格崇拝」「マクドナルド化」という二つのキーワードを用い、心理主義のもつ問題性を浮き彫りにする。それは、人間の人格は何よりも尊重されなければいけない、と教えられながら、その一方で、個々人の感情はどんな時でもコントロールできなければならない、とする教えも学校生活、就職活動時や就業時に絶えず内面化され、それぞれの要求レベルが高くなりつづけるに従ってその矛盾の度合いもますます高くなり、常に互いにラベリングをし続ける上に二つの矛盾する規範を過剰に内面化し続けた末、突発的にキレる人が増えてきた、ということだ。

 ところで今、2008年の時点でこの本を読んでいて特に印象付けられるのは、第五章「フレキシブルな社会の編成」第六章「合理性の非合理性」で語られている事柄だ。第五章で語られているのは、派遣労働力の導入において心理主義的言説が、経営者・正社員・派遣労働者、それぞれの立場の人々にヘゲモニーとして、絶対命令的ではなく説得的に、反論しがたい意見として果たしている役割で、第六章の中には犯罪報道を補完する形で犯罪心理学者や精神科医の言説が配置され、個々の犯罪者の行動を社会的・経済的・制度的境遇を考慮外、あるいは単純化かつ所与のものとした上で、本人の「心の闇」や家族環境の問題の枠へ収めていく様子が描かれている。上記の二つの例は前半の分析と合わせてとても強い説得性を持っている。心理主義が孕むダブルバインド。本書は2000年に発行されたものだが、本書で解説されている事柄・仕組みはたった今も反復され、また増幅されている。たとえば今年出版された湯浅誠「反貧困」(岩波新書)のなかで指摘されている、貧困層を見舞う「五重の排除」を正当化する言辞が、本書で問題としている心理主義によって強化されていると読むことも出来る。現代社会の基礎知識社会学の1冊だと思う。
自己啓発に興味のある人は読んでおくといいと思う。 ★★★★☆
中身の濃い本だと思う。この本に書かれた説得力のある仮説は、我々の信じて疑わなかった道徳感すらくつがえそうとする。見えざる檻によってコントロールされた社会は、求められるモラルのレベルの高さゆえに、多くの異常な犯罪や、不適応者を生んでしまっているという仮説である。難しい本だが、軽薄な自己啓発書に対して、健全な批判の目も持てるように、読んでおくことをお勧めしたい。
「社会変革」から「自己変革」へ ★★★★★
 現代社会の心理学ブームやカウンセリングの流行、自己開発セミナーなどの背景について考察した本ですが、かなり目の行き届いた分析がしてあります。複雑化する社会の中で、「社会変革」から「自己変革」へと、問題が転嫁されていっていることがわかる本です。