自閉症との体当たりの記録から他者への理解の可能性をみました
★★★★★
この本がバツグンなのは理屈の話ではなく、体当たりの記録だからです。
体当たりは言葉のアヤではなく、押しくらまんじゅうするときに出る熱をこの本は放っています。
自閉症は、コミュニケーションにクセがあり、特に言葉による情報発信というアイディアを持っていない状態だというのは、この本を読んだ感想です。
そして、アイディアさえ持てば、言葉によるやりとりの楽しさを覚えて、次第に話すようにもなります。もちろん正解はなく、会話の成立が即コミュニケーション能力のステップアップとはかぎりません。
自閉症をもつ個人個人の記録でもあるので、インターネットという開かれた場所での引用の、適切さの判断がつきません。なので、引用はしません。
ですが、僕のような自閉症のアマチュアにもおもしろく読めました。
言葉による以上、自分や他人の完璧な理解は出来ません。
学術書に近い本だと思うのですが、自分や他人の自閉症的感覚を理解したり許したりする可能性を持つとおもい、紹介しました。