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去年を待ちながら (創元推理文庫)
価格: ¥882
カテゴリ:
文庫
ブランド:
東京創元社
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ラストのセリフが秀逸!
★★★★★
内容はいつものディック小説。ほかの方のレビューどおり。
しかしラストの主人公とある物との会話は、
何度読み返しても疲れた心に響く。
無生物を描かせてこの作家の右に出る方はいまだ知りません。
別れられない男
★★★☆☆
1966年発表。この作品の以後に、「ザップ・ガン」、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」などが発表される。
2055年。地球はリリスター星と同盟契約を結んだ為に、リリスター星が敵対するリーグ星人との戦争に巻き込まれていた。この星間戦争を指揮する地球側の最高責任者は国連事務総長ジーノ・モリナーリという人物で、彼は病身で老骨な身体で過酷な任務をこなしているのであった。人口臓器移植医エリック・スイートセントはある日、モリナーリの専属担当医に抜擢された。エリックにはキャサリンという妻がいるのだが、二人の夫婦関係は不和状態が続いており、エリックは妻と別れるかのようにモリナーリの担当医スタッフに加わる為にシャイアンへ向かった。その孤独感からかキャサリンは禁断のドラッグJJ180を服用してしまう。JJ180とは軍事兵器用として開発された非常に中毒性の高い幻覚剤で、その幻覚とはドラッグ服用者を過去や未来へとタイム・スリップさせてしまうのであった。エリックは妻とは不仲であったが彼女を見捨てる事が出来ず、JJ180の中毒者となったキャサリンを救う為に、自らもJJ180を服用しながら危険なタイム・スリップを試みる。
タイム・トラベルによるパラレル・ワールドを描いたSF作品だが、主人公エリックの妻に対する愛惜感溢れる心情の方がストーリーの大部分をフィーチャーして描かれている。実際、タイム・トラベルを描いた部分や仕掛けにはご都合主義的で不整合さが若干感じられる。そもそもタイム・スリップの方法が特殊なドラッグを服用するというのだから変わった設定だ。その他、惑星間同士の戦争の隠された策謀を暴くというモチーフもあるにはあるが、なかなかスリリングだったその展開は最後の方まで生きてこない。それよりも妻の救済を重要視する主人公。それも別れたいけど別れられないという半分ウジウジした心情のままで。でも、それって実際の夫婦間のよくあるケースだからリアルな説得力を感じてしまったが。
若干ネタバレ
★★★★★
最近あった政治的なドタバタとめっさリンクしてるなぁと思った
いやこっちが早いんだけどね
とにかくSF読みは必読
陰謀論好きも必読 偉い人の仕事はいろいろあるんだよ 暗殺されたり病死したり というお話
個人的には高く評価したい
★★★★☆
彼の作品ではお馴染みの、受動型で流され易い(おまけに絶望している)
現代的ダメ男の主人公が、滅茶自分とリンクしてて好きです。
ディック本人、この作品を気に入っていたようです。
彼の作品の身内ネタ的な人間臭さが好きな人は、気に入るはず。