これは筆者が残り少ない余命をガンと闘病しながら描いた本なのです
★★★★★
もしこれが「普通の人」が描いた本であるなら、きっと「普通の本」でしょう。しかしこれは余命宣告を受けた筆者が残された命を削って懸命に描いた「今までの自分の人生とガンとの闘病」を背景に描いた、いわば筆者の「生きた証」なのです。同じくウインドサーフィンをする者として贔屓目はあるかもしれません。でも血を吐きながら、死の恐怖におびえながらこのような表現ができるとは、私は素直にすごいことだと思います。文体は決して難しいものではありません、さらっと読めてしまいます。しかし、背景にある彼の状況を知っていますから、こんな明るい文章を描けるということ自体が奇跡に等しいと思います。さらに、独特の表現で思わず笑ってしまう愉快なシーンも沢山あります。そんなところに本来の彼の明るい人間性が見え隠れしています。
この本は、言ってしまえば「ガンに冒された人々が病とどう向き合い、どう生きたか」を描いているだけですが、「ガン」という病が本人だけでなく周囲の人にまで及ぼす影響を、心理的な部分まで含めて克明に描写しています。「病というものに対してどう向き合うか」「自分ならどうするか」、そんなことを考えさせられました。
すごい本ではないかもしれない、でも僕は飯島夏樹が好きだし、この本を「とても人間性に溢れたさわやかないい本」だと思います。是非読んでみてください。
ウインドサーフィン
★★★☆☆
この表紙とタイトルと患者との手紙でのやりとりはなかなか良いと思った。全体的には良くも悪くもないかなぁ。最後の寛子さんのあとがきのために読んだみたい。飯島さんは日本人として、ウインドサーフィンというスポーツを広めた事は素晴らしいと思う。
ガン患者の苦悩が描かれていた
★★★★★
風景描写が無駄なまでに詳しく、
終わり方がイマイチだったような気がしますが、
ガン患者の苦悩がしっかりと描かれておりました。
ガン患者が思いがけないことに苦しんでいるのを読んで、
生や死を考えるようになります。
また生死の問題を扱っているのに、文体が優しくて、
押し付けがましいことはないため、
読後に暗い気分に陥ることはありません。
ですから説教臭いのが苦手な方でも安心して読めます。
読んだあとは温かいキモチになりました。
★★★★★
私はこの本を二宮和也さん主演の
ドラマを見て購入しました。
実際に本が届いて読んでみると、
あっと言う間に読み終わってしました。
1番最初のページから、1番最後のページまで、
とても面白く、ユーモアに溢れています。
また、この本を読み終わった後、
とても温かい気持ちになれました。
また、何度見てもあきません。
続編「神様がくれた涙」も買って読みたいと思いました。
この本は、私が今まで読んだ本の中で1番面白かったです。
なので、☆5つにさせていただきました。
生きていくこと
★★★☆☆
私は本書を読む前に、著者のノンフィクション的な著書「ガンに生かされて」を読んでいたので、期待していたストーリーとはちょっと違ったなというのが正直な感想です。文学的な観点でみると文体や内容等に無理や矛盾が多く、小説としては稚拙な部分が多い気がします。ただし、これが余命6か月を宣言された男が書いた文章かというほど、後半にいけばいくほど躍動感あふれ、生気みなぎる文章になります。著者が病床で「最後は神様が自分に文章を書くという天職を与えてくれた。」と嬉しそうに言っていたようにこの文章からは生きる力のようなものが感じられるのは確かです。人間であれ動物であれ生命があるものはいつかはその肉体は滅びます。それが1年なのか30年なのか、80年なのかだけがそれぞれ違います。与えられた天命を最後までしっかりとどのように生きるべきかということを強く感じられる本であることは間違いありません。