洛陽社の問題集は、装丁からして現在の若い受験生に好まれるとは思えません。本文も白黒で、色刷りはまったくありません。内容も、英文法をかなり勉強した人向けであり、この本で最後の仕上げを行う人にはよいかもしれません。
否定的な内容が多くなってしまいましたが、それでもこの本を手に取った人には、さすが多田幸蔵先生の本と言った、「小粒でもぴりりと辛い」、他の英文法問題集には指摘されていないような内容のことが書かれ、そのことが読み取れるくらいの能力を持った人には、非常にすばらしい英文法の仕上げが出来る内容になっています。

まず第１章に問題集、誤った文章を掲載し、そのしたにヒント、正解、解説、そして応用、第２章には紛らわしい表現の紹介といったよくまとまった構成になっている。
間違った文章を正させる問題形式はこれまでの知識の確認に適していると思うため、一度基本事項を習った（積りでいる）人が短期間にとりくむと良いかもしれない。休み時間のちょっとした合間に読書する感覚で読むのもアリだ。
本そのものはコンパクトで白黒、古めかしく「どこでそんなの買ったの？」と聞かれるタイプ。「思考訓練の場としての英文解釈」を思い出されてほしい。
さて、本書のみならず多田幸蔵製の本は人を選ぶ。
やる気マンマンでちょっと避けられる人である。しかし、韓国ドラマのファンの如く彼の本を愛する人の存在もいる。
思考訓練の云々同様、（奇遇なことに両方名前は多田氏である）模試の点に直結すると自信を持っては薦められないが英語に受験目的以上のなにかを求める高校生、大きくてカラフルで退屈な参考書に飽きがきた高校生達に読んでほしい。