内容は五部構成で、第一部は総説編で誤訳のメカニズムとその対処法について具体的事例を挙げ説明しています。第二部は短文演習編で代表的な現代作家の作品を英語の慣用表現を学びながら200問近くを解き基礎力を養成するようになっています。第三部は長文読解編でありますが、主語の発見、副詞の訳し方など達成目標が立てられた上での演習で、それぞれワンパラグラフの長さの英文に挑戦することになります。第四部は全体から見ると異色な感じを受けるところですが、基本動詞で構成された動詞句(群動詞)の基本例文が、動詞ごとに纏められています。最後の第五部では、実力テストが20題用意されている。類書との大きな違いはすべて入試問題ではなく、英米の作品で構成されていることである。よってこれらも問題で基礎力を養成したら、つぎは英米文学の作品を読みこなすための基礎体力が付いていることになる。
重厚な英文学の原書に入る前の基礎訓練に役立つでしょう。しかし一般の大学受験や薄っぺらなTOEICでの英文の読みこなすには、必要ありません。
読者対象としては英検で2級以上は必要です。これから2級を受ける方は、いわゆる受験参考書で勉強された方が目標達成のためには、確実です。
最近は、お手軽さばかりを求める読者層が厚いため、本書はあまり小さな書店で目にすることはないでしょう。今回の書評では、実際本書を手にとってご覧になれない方のために内容面の解説を中心としました。