見かけはフライ級 中身はヘビー級
★★★★★
手放しの賞賛と手厳しい意見とが相半ばしていますが、どちらももっとも。少なくとも通読するのに5年かかるレベルの方々は手を出すべきではない。数学教科書の章末問題もこなせないのに「大学への数学」や増刊号に取り組むに等しい。英語の音読を心がけてその重要性を朧げながらつかんでいる、訳文をいかに無駄の無い端正な日本語にしようかと腐心している、そんな高校生にうってつけの参考書でしょう。
高密度・高難度と言えども、高精度・高性能とは言い難し。
★★☆☆☆
このサイズ(新書判)にしては、恐ろしく情報量が多い。又、まえがきにも明言されているように、大学入試を終えた大学生の仕上げのための参考書。英検で言えば準1級以上でしょうなあ。読み通すのに非常な努力と時間を要す。私の場合、通勤途上電車内だけで、何度も中断しつつ、5年程かけてやっと通読した。もちろん訳文を書いたりはできなかったが、構文分析(括弧と矢印)や知らない表現に下線を引いたりはした。
こういう古い参考書にはオールドファンがノスタルジアから、不当に高い評価を与えがちだが、客観的に見て、英語学習書としての完成度は決して高くはない。まず素材の英文がバラエティに富んでいるのは良いのだが、どうも細切れで文脈無しで内容把握が困難なものが多い。当然、新しい英文はない。解説もやや恣意的な感じがして、伊藤和夫のように体系的ではない。又、ミスプリも結構ある。こんな初版から年月がたっている本にも関わらずミスプリが訂正されていないのは、読み通した者が少ない事の証左である。
唯一の売りはレベルの高さとコンパクトさである。英語教師が通勤途上に読むくらいか、、、。
英文科の大学生向け。 大学受験はもちろん、一般の大人向けでもない。
★★★☆☆
しばらくかかって通読しての感想ですが、
高校生は手を出すべきではありません。
時間の無駄です。
レベルが高いというよりも、文学作品から
部分的に切り取ったために
わかりにくくなっているような英文が多いです(特に中文編)。
私ももう40年近く英文を読んできており、長期米国留学も経験しましたが、
そこで得た教訓からいいますと、英語の力をつけるには、
もっと明瞭な英文をたくさん読むのがよいと思います。
こうした、誰が読んでもクリアに読めないような本を読むと、
特に英語力に自信が持てない時期にいる人は、
「自分の英語力はまだまだなのだろうか?」と迷うことになります。
迷っている時間は、非常にもったいない時間です。
どうせ時間を使うなら、読者を迷わせず、力をつけてくれる
教材に、時間を費やしましょう。
これほど惚れ込んだ英語参考書はない。
★★★★★
すご過ぎます。この内容で、このサイズと価格は良心的過ぎます。
本書全体を通して、一本筋が通った哲学のようなものが感じられ、
とりわけ、児童書にこそ英語の真髄があるというのは卓見という
他ありません。
本書利用法にある何気ない記述なども、道を歩みきった達人にしか
書けないような含蓄のある内容が盛り込まれています。
いわゆる受験英語を否定するつもりはまったくないですが、平均的
日本人英語学習者に見られると思われる、英語力のバランスのある
種の歪みを取り除いてくれる超名著だと思います。
良心的な好著
★★★★★
短文、中文、長文と3ステップに分けてそれぞれたっぷりとレベルの高い英文を提示してくれている、とても良心的な本です。時間をかけて丁寧に書かれたことがわかります。昨今内容の薄い本がすぐに1000円も1500円もすることを思えば驚くほど良心的な価格設定です。ただ、受験対象でないこと(レベルが高すぎる)、出版社が大手でないことからなかなか主流にはならないタイプの著作なのでしょう。個人的には購入して非常によかったと思います。