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政治学史

価格: ¥5,250
カテゴリ: ハードカバー
ブランド: 東京大学出版会
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新制東京大学の知的水準。 ★★★★★
この本は、東京大学の政治学第二講座「政治学史」を初代担当者南原繁から受け継いだ福田歓一が、法学部で自身の展開した講義内容に即して著されたものです。


この人の学的出発は、自身も学徒出陣した「大日本帝国」の崩壊に伴う戦後民主主義世代としての社会契約論研究なんですが、師匠の南原がカント主義哲学に対して、彼は近代政治原理としての国民国家の成立史をこの書物で描いている訳です。


勿論、プラトンからヘーゲルまでの政治学説史を彩る知的巨人の解説能力もさることながら、その説明を介して、【近代の政治原理は如何なる事情によって形成されていったのか】、鮮やかに描いている気がします。

そこでは、「政治学史」の名に相応しく政治学の発展の歴史が綴られていると共に、南原に始まった新制東京大学における法学部講師陣の、丸山真男にも引けをとらない福田歓一の存在感を如実に物語っている様に思えます。
西洋政治思想史の必読書 ★★★★★
 東京大学教授であり、西洋政治史の第一人者であった著者による、東京大学の講義を元に出版された本です。
 内容は、ギリシア哲学からマルクス以前までとなっています。(マルクスは記載されていません)
 西洋政治史の本は数多くありますが、格調の高さ、及び、その貫かれた思想は、現在でも十分に読む価値があります。
 初学者は難しい部分もあるかもしれませんが、是非、我慢をして読み進めてほしいです。
 通常、政治思想史の通史本となると、原書を読んだ方がよい場合も多々ありますが、本書は、本書という価値観があります。
 何度か読み直したい気持ちになる本なので、少し高めですが、是非、手元に置いて欲しい本です。
福田歓一氏の政治思想 ★★★★★
入門書や教科書には著者の思想が最もよくあらわれる。それは『哲学入門』という本が数多くの哲学者に書かれるが、その内容がその哲学者によって大きく異なっていることからもよく分かる。哲学入門と題してはいるが、そこで語られるのはその著者の哲学である。そうであるからこそ、我々はそのような書物に衝撃を受ける。著者の思想がない入門書は、学説の羅列で終わり無味乾燥であるのみならず、そもそも読むに値しない。

本書は著者の政治思想に対する考え方がよくあらわれた、大変優れた教科書である。政治は人間相互間の営為であり、そうであるからこそ人間そのものを哲学的に問うことなしにその原理的認識は成り立たない。このような立場から、著者は西洋の政治思想を叙述する。著者のそのような「政治思想」があるから、様々な思想家の形而上学をも詳述するし、またそれが生まれる背景となる時代状況も丁寧に描き出す。やはり一貫するのは、それぞれの思想家が「人間」というものをどう見ていたかという視点であり、それにより読者は自らもその古典・その思想と対決しながら読み進めるスリルを味わうことができる。

著者はそれぞれ個性的であった思想家の人柄を伝えんとして、いろいろなエピソードを紹介するが、どのエピソードを、どのように紹介しているか、というところに著者のその思想家への思い入れが見えるようで、読んでいて思わず顔がほころんだ。また、ところどころに著者の警句がちりばめられており、その鋭さを存分に味わうことができる。索引、参考文献も充実している。発売されてもう20年以上がたつが、現在においてもなお、我が国で最も優れた政治学史の教科書であると言っても良いだろう。

それでもやはり、初学者がゼロから読むのは少々重いかもしれない。高校倫理程度の哲学史の知識や、新書レベルの政治学史の知識があったほうが良さそうである。
非常に優れた教科書 ★★★★★
 本書は、著者である福田歓一氏が長年行なってきた講義内容を基にして教科書としたものである。1人の人間の手による政治学史(西洋政治思想史)の教科書として非常に優れており、今でもその権威を失っていない。政治学史を学ぶ人間は必携である。

 政治学史上において重要な思想家が種々取り上げられているので多様な思想に触れることができる点、また、その思想家の思想が生まれるに至った体験乃至時代背景にも充分触れている点、この2点は本書の素晴らしい点である。

 ただ、全体として分量が多いので、初学者が挑戦すると圧倒されてしまうことが殆どであろう。それ故に、多少なりとも政治学史の知識を持った上で読むことをお薦めする。