法学部の学生さんにオススメ(^_-)-☆
★★★★☆
著者は警備会社の社員として、目の当たりにしてきた談合をオブラートに包んで暴露しています。
私は大学で独占禁止法を専攻としていますが、授業や教科書では分かりづらかったので購入しました。教科書のような固い文章ではなく、法律を勉強していない方でも著者が「要するに‥だ。」と解説してくれるので分かりやすいと思います。
これが談合の全てではないと思いますが、「最近、ニュースで出てくる談合って何なの?」と疑問をお持ちの方や、これから談合を勉強される方の第一歩の本としてお勧めできます。
「談合」を考えるきっかけとして
★★★★★
著者自身も認めているが、これはあくまで中小規模の談合の記録であり、ゼネコンのような大規模な談合を描くのが趣旨ではない。タイトルの誠実さと著者の謙虚さには好印象を受けた。「さおだけ屋はなぜつぶれないのか」のようなキャッチフレーズだけの本に比べれば、格段にレベルの高いノンフィクションである。談合は、悪であるが、これが無ければ雇用は守れない。一見、中小企業の悲哀を感じさせるが、この悪循環を作っている根源は、役人の臆病さと横着さであると彼は説く。最終的に、談合をなくすにはいかにすべきかという立場から提言を行っている。摘発時の談合で加害者ともなり被害者ともなった著者の、少しも飾らない謙虚な筆致で、読ませるものをあきさせない。著者も述べているように、談合の根は深い。故に、本書のような談合でも比較的軽い部類に属する話を読むことから、考えるひとつのきっかけとなればいいと思う。
警備業界の談合はまだ根が浅い
★★★★☆
「警備会社の談合」に関しては、その発生する背景から、実際の「調整」方法まで、わかりやすく、しかもドラマチックに記述されていると思います。一般向けの現状暴露本としては、良書です。役人とのなれ合いや、業務の効率性を考慮した結果、ついつい談合してしまうという現実が見えてきます。
しかし、談合ってのは業界によってやり方も、その内容も違います。
別業界でそれなりに談合を見ているものとしては、警備業界の談合ってのは根が浅いな、と思わざるを得ません。
一般競争入札にすれば解決するというのは、あくまでも交換可能な会社間でのみ、誰がやってもいいような仕事でのみ成り立つ条件です。そういう仕事も多いとは思いますが、それが全てではありません。多くの官公庁で行われている談合は、入札条件や落札金額のチェックで何とかなる程度のものではありません。
そういう「談合」に関しては、解決策は思いつかないのです。ただ言えることは、行政と民間との線引き、役割分担をどうするかという点を再検討しない限り、「談合」のようなものが大手をふるう現実は代わりません。
談合は契約担当者側の責任が大きい
★★★★☆
この本を読んで、談合の責任を入札業者側だけが取っていることに疑問を感じました。明らかに主犯は契約担当の役人側です。彼らの怠慢が日本に談合を蔓延させているのだということを改めて感じました。
談合の知識は多少はありましたが、改めて考えさせられるところが多々あり、勉強になりました。
強制捜査の迫力 と 談合解説のわかりやすさ
★★★★★
よくテレビなどで、談合をした会社などが警察に踏み込まれて証拠書類をダンボール箱で持ち出されているところが映し出されたりしますが、あの内幕を見ることができました。強制捜査される側の視点で書いてあってとても面白かったです。
それと、ぼんやりとは知っているつもりだった「談合」の仕組みが詳細に書かれていて、ほんとうによくわかった。