インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

嫉妬の世界史 (新潮新書)

価格: ¥714
カテゴリ: 新書
ブランド: 新潮社
Amazon.co.jpで確認
ねたみとそねみ(ルサンチマン)が歴史を変える ★★★★★
「ねたみとそねみが歴史を変える」と著者は言うが、
ニーチェなら「ねたみとそねみが人間社会のすべてを形作った」と言うところだろう。
喜怒哀楽とともに、に誰もが捕らえれて逃れられない人間独自の感情が
「嫉妬」だというのが著者の主張である。

この書の中で、特に興味を引いたのは、「雪は天からの手紙である」
との名言を残した中谷宇吉郎博士の事例である。
雪氷物理学者の中谷宇吉郎博士は、同僚と人口雪の研究に従事し、
北大の低温科学研究所を率いて華々しい業績を上げた。
しかし、その業績は中谷博士の意思に反して
「たった一人の業績のように報じられた」ため、
共同研究者から激しい嫉妬を受けたのである。
そのため、中谷博士は、誰もがなると思っていた
低温科学所の所長になることはなかった。

加藤家の後に、会津に封じられた家光の腹違いの弟保科正之の事例も面白い。
普通なら、家光に疎んじられてもおかしくない正之が、
会津の名大名として永らえたのは、徹底してうそをつかなかったからだという。
家光が用意した鷹狩りに出かけ、二羽しか獲物が獲れなかった。
正之はそれを家光に献上する際、馬鹿正直に二羽しか獲れなかったと言ったという。
側近に「これはたくさん獲れた一部です」と言ったほうがよいと言われたが、
「うそはぜったいにだめだ」と、それを諌めたという。


権力もいつも「嫉妬」で動くことは今の政治状況を見ていてもよく分かるが、
他に挙げられる例もすさまじい。
忠臣蔵、徳川慶喜と勝海舟、西郷隆盛と島津久光、アレキサンダー大王、
阿部一族、石原莞爾と東条英機、頼朝と義経、中大兄皇子と大海人皇子。
まさに「嫉妬」の歴史である。
高名な学者も専門外は素人 ★★☆☆☆
大変評判の良い本で、またこのたびNHK教育「知るを楽しむ」の元ネタになっている本と言うことで入手しました。確かに文章としてはおもしろいのですが、ご指摘の方もいらっしゃるように「嫉妬」というテーマを掲げている割には人物の掘り下げ方が善悪紋切り型というか、画一的というか、ともかく平板でした。気になって巻末を見ると、参考文献になんと小説まで掲げてられまして、これにはがっかりしました。日本を代表するような高名な学者でも、専門外では素人と言うことでしょう。人間万能ではないのでそれは仕方ないとして譲るとしても、歴史の本と言うより、歴史を通して人物を磨くという雑誌『プレジデント』に掲載されている歴史特集を読んでいるような印象を受け、どちらかというとビジネス書かと思いました。高い評価の多い中、敢えて厳しく評価させていただきます。
嫉妬について考えよう ★★★★☆
タイトルに惹かれ、購入しました。
また、安部首相が、総理就任前に読んでいたということで高名な一冊。
中川昭一政調会長も読んでいるということで、好奇心から読んでみました。
著者の山内さん(60)は東大で教授をされており、安部政権で様々な委員会・審議会に名を連ね、
政策立案に参加されている方だということです。(恥ずかしながら、読むまで全く知りませんでした…)

時間があれば、2〜3日で読み終えることが出来ます。

だからといって内容が薄いということではなく、嫉妬をテーマにして、
古今東西の世界史のエピソードが盛りだくさんに詰め込まれている、充実した中身だと思います。
嫉妬について考える、端緒を与えてくれるという意味では満足できる内容でした。
(「嫉妬」について考えようとするとき、自分自身の嫉妬の経験から入ろうとすると、とても冷静ではいられないので)

やはり、新書ということで掘り下げが甘いという感じは否めませんが、ここは賛否両論分かれるところだと思います。
私は、(嫉妬という側面から見た)史実と、それに対する若干の印象を書くことに留めるスタイルは、
ともすれば陰惨になりがちなテーマには逆に功を奏しているように思いました。

この本のエピソードの中で、私が1番感銘を受けたのは杉山陸軍元帥の話です。
軍部でも愚鈍と侮られていた杉山が、実は感情の機微に明敏で緻密な計算の上に鈍重を装っていたという話から、
「嫉妬から免れるには、嫉妬をよく知ることが唯一の道である」の感慨を抱かせられました。

最終的には、本書にもあるとおり「嫉妬を飼いならす」ところから、「嫉妬を利用する」という洗練の域に達したいものですが…まだまだ修行不足です(^^;)



人間という生き物の最も厄介な醜い感情 ★★★★☆
嫉妬という感情。それは人間という動物に於ける最も醜い感情であり、国をも滅ぼす。
本書は、新書らしくパラパラと読みやすい一冊で、歴史上の人物が心底苦労した嫉妬という感情の魔の力を、具体例を挙げて提示していきます。

「女の嫉妬は醜いとは、よく言うが、男の嫉妬のほうがもっと醜い」というようなことが書いてありましたが、同性からの嫉妬に死ぬほど苦しんだ経験のある男性ならば、本書を読むことで、歴史上の人物の苦悩と自分のそれを重ね合わせて、芯から納得することが出来るでしょう。

それにしても、嫉妬はよくないですね、するほうも、されるほうも。
その嫉妬を倦み出す源である「感情」というものを失くせたら、楽なのかもしれませんが、そうすると人間は動物ではなくて、まさに植物人間になってしまいますから、そうはいかないんでしょうけれど。逆に考えると、嫉妬とは、最も人間らしい感情の表出なのではあるのでしょう。なにせ、嫉妬とは、愛情の裏返しとしての感情な訳ですから。
良いテーマです。 ★★★★★
ウス汚れている。魑魅魍魎。跳梁跋扈。
一言で言えば「足の引っ張り合い」の話集。

英雄たちの輝やかしい業積、知略や謀略の源を
「嫉妬」で片付けすぎだ。
読後、こんなんに巻き込まれるのはまっぴらだ!
と強く思う。


だがその人間臭さが非常に楽しめた。
ああ、そういう事って大いにあるよね、と。

嫉妬という前提つまり切口でみる事により、
偉人の所業がよりカラフルに浮かんできた。


サルや犬といった動物すらも嫉妬の感情をもっている。
人はそれを理性で覆い隠しているから、
それが露顕した時は眉を顰める。

すこしエロと似てんな。


で冒頭の、嫉妬の男女差についての話は
重要な視点が抜けてるかもよ?

男は、嫉妬してそれを源に行動しても、
後付けの論や理由を作りあげてそれを自分でも信じる。
だから本人は嫉妬に気付いていない場合が多い。

これは間違いない。