思わぬ方向からハッピーエンド
★★★★★
満足のいく作品でありました。
それは雨の後編です。
最後を飾るのにふさわしい終わり方でしたね。
その一方で、あのいやな「あいつ」がいましたね。
そう、裕一を苦しめたあのあいつ。
でもバカ系の作品も捨てがたいのです。
そう、「私立若葉病院…」のような
とびきりのおバカな作品もね。
こんな病院はまさしく嫌だ!!の領域に
入ってしまうことでしょう。
最後はまあ、問いません。
このおバカな作品にはね。
とにかくありえない日常をお楽しみください。
おバカと潤いをもたらす
最後に恥じないシリーズでした。
透明感のある小説
★★★★☆
全体を通して、穏やかで透明感のある小説です。好感の持てる脇役が何人もいる事が
読後感のよさに繋がっていると思います。
大好評シリーズ最終巻!伊勢を舞台にした普通の少年と少女の。だけど”特別”な物語
★★★★★
8巻すべてにレビューを書かせていただきました。レビューのタイトルは気づいた方もいらっしゃるでしょうが帯の文句です。タイトルとか考えるの苦手なので拝借させていただきました。
きっとみんなそう感じると思いますが、この巻の表紙は8巻中最高に最強に可愛い里香です!(茶を濁すようですみませんw)
アニメのOPだかEDでもウェディングドレス着てましたけどきっとこんな感じで式を挙げたんだろうなぁと思うと(ただの妄想ですが)なんだか嬉しくなってきますw
短編の中でも僕が一番好きなのは里香の過去のお話で、この巻のラストのお話です。多田コレクションの騒動も面白いんですけどw
あと文化祭の演劇もいいです。7巻の短編も面白かったのですが、この三つ(一応多田コレクション騒動も含む)を前にすると霞んだ感じでした。
そのままキスするかと思いきや、そこで〜〜になっちゃうのが里香ですねw(〜〜は購入後にご自身で確認してくださいね)
里香はきっと、いや確実に若くして逝ってしまい、裕一は遺されるのでしょう。そこまで書いて欲しかったと思う方もいると思います。自分もそう思わないでもないから。
でもそれこそ「蛇足」なのでしょうね。語らない部分があるからこそキレイに終わるし、キレイなだけでなく確実な闇を落としている。
これから、はきっと僕たち読者それぞれの心の中にのみ存在するからこそ、半月は愛されるのでしょうね。
半月を読んでしまえば、きっと他のライトノベル全てが薄っぺらく見えると思います。それほどにギュッと詰まってたから。
この作品と出合えたことのお礼を、著者の橋本紡先生と、きっかけとなった声優の高橋美香子さん言いたいです。
命の大切さを後世に伝えていきたい
★★★★★
1〜8巻を総括しての感想です。
これは今は亡き父親の遺伝により心臓に欠陥を抱えるが故に常に死と隣り合わせで生きて来た少女と、健康ではあったが今はもう亡き父親とのわだかまりを残したまま日々を何気なく生きる少年とが出会い、幼いなりの必死で懸命で純粋な愛を育んでゆく物語です(二人は共に母子家庭)。
物語内の文体は筆者特有の『透明感のある文章』と言われる通り、恥じらいも誇張もてらいも無く、ただありのままを述べるもので、それはまるで水がサラサラと流れていく様な清涼さが感じられるものです。その文章により死と言うものがこんなにも恐ろしく、そして穏やかなものなんだと私達にそれを気づかせてくれます。
なんら病気を抱えていたわけではないのに既に亡き少年の父と、確実に後10年で死ぬであろうヒロイン……。この二つの死に明確な差はありません。差があるのだとしたら、いつ死ぬのかを知っているのかいないのか。
自分がいつ死ぬのかをわからないまま、主人公の少年とのわだかまりを残したまま死んだ父親。反面、いつ死ぬのかが判っているが故に日々を楽しく素晴らしく生きようとする少女。
その反比例に気づいた時、私は涙が止まりませんでした。
人はいつか死にます。いつ死ぬのか、それは明確にはわかりません。だからこそ毎日を無為に過ごすのではなく、己の周囲にいる人に少しでも何かを残して上げたい。この物語はそれに尽きます。これは作者の伝えたいメッセージの一つでもあると思えます。
主人公の少年はいずれ死にゆく少女のために、楽しい思い出を作ろうと躍起になり、また、少女もそれに応え、少年との日々を大切に生きます。
例え健康であっても人はある日突然死に、心残りを残すかもしれない。それは病気を抱える人も、健康な人も等しく持つ可能性です。
例え病を抱えている人だって、誰かに何かを残す事は出来ます。健康な人なら尚の事です。
これは人生を大切に生きていこうと学べる本です。
いずれ私にも子どもが出来、その子に物心がついた時、是非読ませたい本であると思います。
日々に疲れ、今現在自分自身という存在に自棄になっている方々、是非この本を読んでみて下さい。
人生に対しての何らかの教訓が、きっと掴める事と思います。私は実際、この本に癒されました。
「今の自分に何が出来るだろう?」なんて弱音を吐けば――恐らくヒロインの少女は目を三角にして「何でもできるじゃないの!」と怒る事でしょうね(苦笑)
これは、真面目に明日から生きて行こうと思える、精神浄化作用のある素晴らしい作品です。
胸を張ってオススメ出来ます。是非御一読を。
全てのライトノベルを霞ませる
★★★★★
タイトルの通り。この作品はライトノベルの中では、SFやファンタジーすら出てきません。だけど、それゆえに心にくるものがあります。シリーズ中に某映画や某小説の名ゼリフが出てきたり、オリジナルの名ゼリフだったりと、その全てがこの作品にマッチしてます。特に「僕達の両手は〜」は最高の決めゼリフ。また一巻から読み直すとジーンときます。