戦争を知らない世代こそ、この本を読むべき
★★★★★
戦争を知らない世代は増えているが、地球上から戦争は未だに消えていない。
戦争とは何なのか?大和魂に代表される「特攻」だが、その真実は
どこにあったのか?この本を読むことは、現代人の責務のように想う。
死ぬ為に選ばれた者、生き残り後世に伝える者
★★★★★
〜略〜 戦争を一途に嫌悪し、
心の中にこれを否定しつくそうとする者と、
戦争に反撥しつつも、生涯の最後の体験である戦闘の中に、
些かなりとも意義を見出して死のうと心を砕く者と、この両者に、
その苦しみの純度において、悲惨さにおいて、
根本的な違いがあるであろうか。〜略〜
このような昂ぶりをも戦争肯定と非難する人は、
それでは我々はどのように振舞うべきであったのかを、
教えていただきたい。
〜略〜 誰が、この作品に描かれたような世界を、愛好し得よう。
初版あとがき から
昭和20年春のこと、
帝国海軍の戦艦「大和」は、その象徴たる地位に相応しい援護も無く
あたかも日本の負け戦を体現せんとする為かの様に
沖縄戦に向けて出港する。
幾度もの僥倖を得て生還した学徒出陣の海軍少尉 吉田満。
初稿は終戦の直後、ほとんど一日を以て書かれた。
読者は、格調高い文語、抑制された文章から
日本という国とその時代に
”生き残り伝える為に”選ばれた者の
資質と苦しみを感じる事が出来るだろうか。
英霊への冒涜の書
★☆☆☆☆
この書が「サロン」という雑誌に始めて掲載された時、タイトルは「小説・軍艦大和」であった。小説というフィクションである。
それが、その後小説の二文字が取れ、いつの間にかノンフィクションとして流布していく。吉田氏もそれに異を唱えていない。朝日新聞やいわゆる進歩的文化人という反日左翼インテリゲンチャが宣伝に深く関わっている。「手首斬り」は事実無根であることが判明している。
歴史精神を継がないものを「文学」とは言わない。まして、致命的な誤り、まやかし、売名を謀る本書が戦争文学の代表などと担ぎ上げられ流布していることを、英霊に申し訳ないと思う。
大和の最期を冷静に記録した貴重な一冊
★★★★★
戦艦大和。日本人の心にこれほど響くフネはもう出てこまい。戦争にはほとんど役立たずだった大和は、戦況がもう挽回不可能な時点で海軍のメンツのために捨てられた。
本書は、その乗組員の目を通して最期の数日間を冷静に描いている。旧仮名遣いであるが、それほど長くもないので、そのまま読むべきだろう。
国家は常に戦争に備えている必要がある。しかし、備えも運用も誤りだった大和と、無謀な命令に殉じた先人を忘れてはいけない。
また、20代でありながら、筆者を含めた若者は、現代とは全くレベルの違う高度な教養を身に付けていたことが分かる。本当に貴重な本である。
「決定稿」であるが「完全版」ではない
★★★★☆
本作品が、日本民族の一大叙事詩であることには異存無い。
しかし、現在の「決定稿」は戦後GHQの検閲により「変貌」した改稿版である。
改稿の詳細は割愛させて頂くが、昭和21年の「初稿」のままの出版を望む。