紹介される例文は日常会話が中心で、「Qu'est-ce que c'est?(これはなんですか)」といった基本的な疑問文をはじめ、少し複雑なものでも条件法過去を使った「Si j'avais ete a Paris en ce temps-la, je serais alle au Louvre.(あのときパリにいたら、ルーブル美術館に行っていたのに)」といったレベルにとどまっており、あくまで文法学習を目的とした簡潔な例文となっている。しかしその中で定冠詞、不定冠詞、人称代名詞、動詞の活用といった基礎の基礎から、代名動詞、命令文、比較級、最上級、複数ある過去形、関係代名詞、受動態、現在分詞、条件法、接続法といったフランス語の厳格な文法のルールをひととおり学ぶことができるようになっている。
本書は、1つの例文につき見開き2ページで構成されている。まず左ページでは仏英対照の例文とその和訳、例文のポイントが解説されており、右ページでは例文に使われた文法、語法の仏英対照による解説と類題による練習問題が用意されている。著者はまずフランス語に慣れるために、左ページだけをCDとともに繰り返しヒアリングすることをすすめている。
フランス語の最初の関門である鼻母音などの発音のポイントは冒頭の4ページに簡潔にまとめられており、巻末には仏和単語帳と動詞活用表が載っている。初心者あるいは基礎を固めたい中級者におすすめ。(大角智美)
ただし,実際に本番の仏検3級を受験してみた感触からすると,本書だけでは合格には不安が残る気がします。例文の数も限られていますし,必須の文法事項も若干解説が省略されている箇所がありますので,仏検対策用には,やはり「新リュミエール」のような初心者用の文法書や,実践的な仏検受験用の問題集は必要だと思います。
とは言え,他の参考書と併用すれば効果は絶大です。私の場合は,入門時にこのテキストに取り組んだおかげで,英語とフランス語がこれ程までに似通った言語だったという認識を新たにし,何よりもフランス語への親しみ度が一気に増した気がします。それ以降フランス語の学習を進める上で,実感以上の効果があったのではないかと思います。
という訳で,本書は英語が得意な人にはもちろんお薦めですが,英語が苦手な人でも,本書に取り組めば英仏の両言語が同時に学べるという効果もあります。巻末には,英語とフランス語がどうして似ているかを,歴史的事実に基づいて説明した興味深い解説もありますので,ぜひとも一読をお薦めします。
練習問題も英仏訳を中心としています。英語はとてもシンプルな文章を用いています。簡単な例文を繰り返すことでフランス語理解を深めていく方法を取っているんだと思います。
簡単な例文を使っての学習を重ねていくと突然その勉強している言葉がすらすら読んだり書けるようになったりします。わたしの場合、突然TOEICの得点がその方法で上がったり、韓国語の新聞が読めるようになりました。
中高時代の英語の学習経験を踏まえてフランス語の学習をすると、その相違点からフランス語への関心が広まっていきます。
メインの学習書にはなりえませんが、使える本であることは確かです。
英語がわかるのであれば日本語は不要でしょう.
また時々使われている例文に少し無理があると思います.
英語でも殆ど使われないような表現があり,学習者のやる気をそぐことがあります.少なくとも私はそう感じました.
もう少し生きた例文を入れて欲しかったと思います.