登場する主要人物はバーゼルの国際決済銀行(BIS)理事北村と為替部長吉村、経済顧問ヤコブソンとそこに繋がる戦時諜報機関OSS欧州責任者ダレスである。あの困難な時期に、一介の銀行員とその関係者たちが日本を救うべく秘密裏に奔走したその姿に、とても胸を打たれた。
冒頭に掲げられた以下の言葉を噛み締めるとともに将来にわたってこのようなことのなきよう願うばかりだ「・・・当時の廟堂に智者はあったかも知れないが、 勇者の無かったことを歎せざるを得ない」