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幻の終戦工作 ピース・フィーラーズ 1945夏 (文春新書)

価格: ¥935
カテゴリ: 新書
ブランド: 文藝春秋
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資料としても貴重な終戦工作の手続き ★★★★★
力作である。スイスを舞台に行われた終戦工作の全体像が、最近になって公開された米国の極秘情報を基にして、歴史の動きとの対比によってビビッドに描き出されている。クロニクルという意味において、その日の記録の最後として付け加えられている、日本方面における戦闘状況のレポートの存在が、作品を立体的にしているのは素晴らしい。この本に描かれている交渉の動きに関して、資料的に定評のある「第二次世界大戦終戦史録」(山手書房新社)と付け合せしながら、丹念に読むと興味は数倍も強くなるのは確実だ。こういう仕事がなされることによって、歴史の真相が鮮明になることは、いい加減な歴史修正主義がもてはやされ、歴史を捏造しようとする陰謀の流行に対して、大きな打撃を与えるという意味で貴重な調査研究を讃えたい。
日本の和平工作者たち ★★★★★
本書は終戦直前、中立国スイスにおいて行われた
和平工作者たち(Peace Feeler)の活動を、
アメリカ国立公文書館所蔵の当時の極秘資料
「トップ・シークレット・ウルトラ」を中心に
まとめあげたものである。

登場する主要人物はバーゼルの国際決済銀行(BIS)
理事北村と為替部長吉村、経済顧問ヤコブソンと
そこに繋がる戦時諜報機関OSS欧州責任者ダレスである。
あの困難な時期に、一介の銀行員とその関係者たちが
日本を救うべく秘密裏に奔走したその姿に、とても胸を打たれた。

冒頭に掲げられた以下の言葉を噛み締めるとともに
将来にわたってこのようなことのなきよう願うばかりだ
「・・・当時の廟堂に智者はあったかも知れないが、
 勇者の無かったことを歎せざるを得ない」

リアルな終戦工作の記録 ★★★★☆
1945年、スイスを舞台に実際に行われた日本の終戦工作を、当時の資料を基に追っています。同時期に複数の終戦工作が行われていたそうですが、本書ではその中の「ダレス--ヤコブソン工作」に焦点を当てています。
あとがきにあるとおり「恣意的な資料羅列集」と見られるかもしれませんが、しかしそれでも時系列を追って展開される「工作」の一部始終はスリリングで読み応えがあります。特に必死の工作の中、広島と長崎への原爆投下・ソ連の参戦と事態が急転していく後半はもどかしく虚無感がいっぱいになりました。