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鏡のなかの鏡―迷宮 (岩波現代文庫)

価格: ¥1,218
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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再読し続ける限り、生きている物語 ★★★★★
余談だが、脳内メーカーで「ミヒャエルエンデ」と入力すると
脳内はほぼ「愛」の文字で埋め尽くされる。
そしてよく見ると中心にたった一文字だけ「寂」がある。
うそこさんは偶然だと言うでしょうが。

「許して、ぼくはこれより大きな声ではしゃべれない。」

この鮮烈な一行目に十五年前に亡くなった彼の本音がある気がする。
もちろん丘沢静也さんの邦訳力あってのことですが。
決して大きな声ではないけれど、繰り返し繰り返し読み込むほど
響いて広がっていくような、そんな物語だと思う。


よくわからなくても次の章に進んでみて! ★★★★★
こどものころ、『はてしない物語』をかじりついて読んだことを急に思い出し、ミヒャエル・エンデのもうひとつの傑作、と呼ばれるこの作品を読んでみよう!と思ったわけです。僕と同じようなこんな人、けっこういるのではないでしょうか?
ところが、なんだか読み始めてもつかみどころがなく、「正直、なんだかわからない」と思ってしまい、1章ちょっと読んだところで断念。しかし、また時間を置いてからこころをからっぽにして、「内容をわかろう」とかは思わずに読んでみました。とにかく読み進めました。すると…、とっても不思議なのですが、この「鏡のなかの鏡, Der Spiegel im Spiegel」の題の意味がわかってきます。そして、読んでいるうちに、前の章のことが気になったり、そのまた前の章のことが気になったり、そして、一番最初の章のことが気になったり。。。物語の半ばを過ぎると、なぜか登場人物が次に何を言って何を答えるか、わかるような気がしたり。。。
なかなかうまくレビューが書けませんし、文学的な評論もかけませんが、こんな不思議な物語は初めてのはず、とにかく読んでみて!と、このレビューを読んでくれた方に言いたいです。
この作品については好き過ぎてあまり客観的に語る言葉を持たないのですが、、 ★★★★★
もし、どなたかがこのレビューにたどり着き、この文章を読むことがあるとするならば、それをきっかけに一人でも多くの人がこの本を読むようになればよいと強く思います。わたしが本レビューで伝えるのは、本書の内容ではなく本書に対する私の盲目的な賞賛の姿勢しかありません。
夢の直接的な描写としか ★★★☆☆
なんだかよく知ってる不安感だな、と思ったらこれは夢を見ているときの感覚だとすぐに思った。
全編を通して夢の忠実な模写である。
従って、よく知っているので(何しろ毎晩見ているのだから)あまり驚きはなかった。
明らかに寓意を含んだと思えるいくつかのエピソードは夢から離れてしまい、不必要な落ち着きを物語に与えてしまっている。

夢には始まりがない。
記憶に残るのは常に夢の途中からである。
よって、収録された物語もすべて途中から始まっているようだ。
そして、輪廻転生や終わりが始まりになっていることが暗示される。
しかし、だからと言って現実もまた始まりや終わりがないのかというと、そうでもないのではないかと思う。
実際には始まりと終わりがそこかしこで起こっており、始まりも終わりも特別なことではない。
終わらないのは終わりたくないからだ。
エンデは永遠を期待しているようだ。だからエンデの苦しみは終わらないのだ。

救いのために物語を書いたのだろうが、物語こそが苦しみの根源であり物語への依存の放棄によってしか救いはないのではないかと考えている私には、自ら作り出した難問に苦しんでいる姿を見せられてもあまり面白くはない、という感覚しか残らなかった。
その感覚こそが「自分を映し出した鏡」ではあるのだが、少なくともエンデの狙いはそこにはないと思う。
おそらく、この本の中にこそ自らの居場所を見つけてしまうひとも・・・ ★★★★★
鏡のなかの鏡。完結した世界である。円環は閉ざされている。けれども、何時かきっと、そこに紛れ込んでしまう。この本を読んだならば。そしてもう、二度とそこから出て行けなくなる。否、そもそも、そこから出て行きたいなどとは思わないだろう。何故なら、そこにこそ自らの居場所があるのだから。