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自由の牢獄 (岩波現代文庫)

価格: ¥1,092
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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永遠のこどもの友人にして遊びの達人 ★★★★★
郷愁、遠近法、錬金術、ナチス、鎮痛薬、創世記、アッラー…、
エンデの懐の深さを体感できる8話。田村都志夫さんの邦訳もいい。
ただ、“話”と表現して差し支えないかどうか。
手紙であったり、語り部がいたりと形態さえさまざまである。

ことば遊びであり、思考の遊びであり、イメージの遊びでもある。
なかでも「ミスライムのカタコンベ」「自由の牢獄」は
読後、夢に出てくる(悪夢)ほど鮮烈な残像をインプットされる。

「道しるべの伝説」を読んで“影の縫製機”収録の詩を思い出す。
「道標」(抜粋)
…道標は文字もよめず
ことばの意味も知らない
さししめす場所へ いちどもいかず
そこへはたどりつくことがない…

彼は今も“道標”であり続けているのかもしれない。
“難解”とか評する人も居るらしいけど、あくまで“遊び”。
永遠のこどもの友人と遊べたら、これ以上楽しい余暇はないと思います。
閉じた世界がとても切ない ★★★★☆
 『自由の牢獄』。冒頭の「遠い旅路の目的地」から「道しるべの伝説」まで。始まりと終わりが円環をなす。そこには希望も絶望も恐らくは、ない。叫ぶわけではない。笑いかけるわけでもない。けれどもそれは深く胸の奥の、遠い昔の何かを強く刺激する。
 刺激されているものが何なのか、それはわかる。けれども、その刺激され、微かに目を覚ましたものは円環の中に迷い込み、出口をしらない。いや恐らくそんなものはないのだろう。

大きく一つ深呼吸する。天を見上げる。風が吹いていたことに気がつく。都市部のもう失われた夜の暗さの中にも、まだ光を残す星があることを思い出す。
胸の中に泡のように浮かんでくるものがある。それをもう一度、底の方に沈めなくてはいけない。それを抱えたままではきっと溺れてしまうだろう。エンデが突き出すのはそういうもののような気がする。

『鏡の中の鏡』と『自由の牢獄』のあいだに呼応するものを感じる。同じ作者のものだからではない。その構造と私を刺戟してくるその触覚が、そして沸き上がってくるものを飲み込んでしまう円環が、重なり合いながら独自の軌道を描き出している。
探し求める。。自由。 ★★★★★
8つの不思議なお話が ぎゅぅっと詰まっている珠玉の一冊です。

現実にはありえない空間なのに ”その人”には確実に存在する場所。それは、絵画の中だったり、建築物の中だったり小さな車の中だったり、、いろいろです。

ある人はそれを求めて彷徨い、ある人は自分では望んでいない(と、自分では思っている)のにポンとそこに放り込まれてしまう。。どの人も”その空間”の中で悩み自問し選択を迫られるのです。自分が一番望んでいる事を選ぶ、、、つまりはこれが『自由』なのかもしれません。主人公達とともに「何を望むのか」を考えさせられます。

表題作の「自由の牢獄」は「キューブ」という超シュールで恐~い映画をおもわせる話です。これと「ミスライムのカタコンベ」が、一押しです。