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英国太平記―セントアンドリューズの歌

価格: ¥1,995
カテゴリ: 単行本
ブランド: 早川書房
Amazon.co.jpで確認
まさに太平記 ★★★★★
著者は小説家志望でも歴史化でもなくて東大法学部出の経営者
日産のイギリスの現地法人の代表になって英語の勉強がてらに歴史書を読んでいて着想を得たらしい
ある種、経営者視点や経営者に使われる中堅幹部の実感もあるようなw
スコットランドとイングランドも相互の貴族が相手の国に領土を持っていたり
あるいはスコットランド王になる主人公も侵略者であるイングランド王エドワード一世にかわいがられていたりした
そんなある種の内戦的な悲惨な戦いの物語
その中で親友同士や親族同士で殺し合い、恩人を手にかけることに苦しむ主人公が居る
ちょうど太平記の時代と同じであり、主人公のロバート・ブルースは足利尊氏と同じく
双方の陣営の間を苦しみながら渡り歩き、苦しみながら権力を握る
太平でない世を嘆き、太平になってほしいからという鎮魂の思いをもって太平記と名付けられたらしいが
単なる英雄伝ではなく、陰惨な戦争での双方の悲惨な略奪と虐殺を描いているあたり
英国太平記というタイトルは的を射ているとしかいえないわなあ
サカヲタあたりにはおなじみの国際試合なのにスコットランドvsイングランドという風景も
なんかこれを読んでいてなんとなく腑に落ちたねえ
最初のほうは登場人物が多すぎてちょっと読みづらいけど
途中からロバート・ブルース視点になってどんどんとのめり込めた
ロバート・ブルースを主役とするスコットランド中世歴史物語 ★★★★☆
 12世紀末。長脛王と呼ばれたイングランド国王エドワード1世は、イングランド国内では名君の呼び声が高いが、スコットランドに対しては、徹底的な弾圧や略奪を行って圧政を敷き、「Hammer of Scots」と呼ばれた。メル・ギブソン監督&主演の映画「ブレイブハート」で有名になったウィリアム・ウォレスが非業の死に斃れた(1305年)後、当該映画ではむしろ悪役に近い役として登場していた名門貴族ロバート・ブルースは、スコットランド王に即位(1306年)し、彼の後を継ぐ形でイングランドへの反攻を組織した。
 その後、ロバート王は、今でいうゲリラ戦を繰り返して国土を回復し、有名なバノックバーンの戦いで当時フランスと並んで最強の軍隊とされていたイングランド軍を破り(1314年)、ついにはスコットランドの独立を成し遂げます。彼が1329年にその波乱の生涯を終えるまでを描いた作品。

 これらのエピソードに関しては、日本語の文献が皆無に近いので、必然的に英国圏で出版された書籍を参考にしたことと思われますが、かなり色々な文献を読みこんでいることが伺えます。しかし、参考文献の一部をほぼ翻訳しただけと見られる個所が大分見られたり、逆に、ロバート王に関するエピソードを、筆者の「ロバ―ト王像」にあうようにかなり都合よく解釈したり省略したりしている点は不満が残ります。
 …とはいうものの、日本語でロバート・ブルースやその名高い騎士であるジェームス・ダグラスの物語を読めるようになったのは、うれしい限りです。


スコットランド独立戦争史について日本語で読むならこれ ★★★★☆
タイトルには「スコットランド」も「独立戦争」も「ロバート・ブルース」も出てきませんが、12世紀末〜13世紀のスコットランド独立戦争を描いた歴史小説です。ついに日本語でロバート・ブルースの話を読めるようになったかと思うと感慨深いものがあります。映画『ブレイブハート』の主人公ウィリアム・ウォレス、そして映画ではウォレスを裏切る悪役にされていたロバート・ブルースの長年にわたる戦いを、当時の複雑な時代背景なども含めしっかり史料を読み込んだ上で読みやすく描いています。筆者は元日産英国駐在員。駐在時代からあたためていた構想を、現役退職後ついに実現したという筆者渾身の作。小説の体裁で書かれていますが、スコットランド独立戦争史入門書として最適の本だと思います。