インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

ダルタニャンの生涯―史実の『三銃士』 (岩波新書)

価格: ¥735
カテゴリ: 新書
ブランド: 岩波書店
Amazon.co.jpで確認
実在の人物だったというだけでも面白いが ★★★★☆
デュマ・ペールの小説ですっかり有名なダルタニャン。彼が実在の人物だったというだけで面白いのに、伝記としてもすっきりとよくまとまっている。失礼だがこの作家は、誰かも書いているように、小説よりノンフィクションのほうがうまいかも知れない。
ダルタニャンの現実 ★★★★★
ダルタニャンと三銃士って、なーんだ、現実ってこうなのね。
ちょっとガッカリ。でも、小説は事実よりも面白い。
縁故中心の人事制度など、なんだか笑ってしまうような「三銃士」の内幕。

それにしても「ガスコン」という存在は面白い。
彼らを知るとダルタニャンが分かる、というよりも、
フランスの歴史や王家の存在を裏側から眺められる感じがする。
同じ著者の作品 『二人のガスコン』もその意味では面白いが、
ダルタニャンをヒーローに仕立てた作家デュマを主人公に持ってきた
『褐色の文豪』を読むと非常に楽しめる。
うれしい取材のアウトレット ★★★★★
かの三銃士のダルタニャンは実在したのだそうです。しかし、史実のダルタニャンは三銃士のダルタニャンとは微妙に異なっていたようです。その史実のダルタニャンを辿ることで、売位売官や縁故中心の人事制度など当時の行政制度や社会がどのようなものであったかを描き出しています。著者は中近世の欧州を舞台にした史実をモチーフにした歴史小説で有名ですが、こういう取材のアウトレットみたいな知識をまとめた本を読むと、著者の作品がより多角的に楽しめますね。
武人の国としてのフランス ★★★★★
 昔、或るテレビ番組で、アメリカの日本学者で、駐日大使であったエドウィン・O・ライシャワー教授が、面白い事を言ふのを聞いた事が有る。それは、こう言ふ発言であった。「日本に似た国と言うのは、余り有りません。それに対して、フランスに似た国と言うのは、幾つも有ります。例えば、イランがそうです。アフガニスタンがそうです。」これは、ライシャワー教授が、石原慎太郎氏や山崎正和氏などと、日本の文化や歴史について語り合う番組の中で述べた言葉であるが、ライシャワー教授が、フランスに似た国として、イランとアフガニスタンを挙げたのをとても面白く思った事を覚えて居る。ライシャワー教授は、若き日にフランスに留学した学者である。即ち、フランスを非常に良く知る人物であったが、そのライシャワー教授が、フランスに似た国として、イランとアフガニスタンを挙げた事は、今思ひ出しても、面白い事であったと思ふ。フランスとイランが似て居ると言ふ指摘は、当時もすぐにうなずけた。しかし、分からなかったのは、フランスがアフガニスタンに似て居るとする同教授の指摘であった。私は、永く、その指摘を不思議に思って居た。その私が、中世のフランスとアフガニスタンの類似性に気が付いたのは、最近の事である。それは、私なりに、フランスの歴史について勉強した結果の事であるが、中世のフランスは、まさしくアフガニスタンにも比較し得る、多様な文化と精神の坩堝(るつぼ)だったのである。(ライシャワー教授は、そう言ふ意味でフランスはアフガニスタンに似ていると言ったのではなかっただろうか?)もっと言ふなら、かつて、フランスは「単一民族国家」などではなく、言語的にも宗教的にも、アフガニスタンに似た分裂国家であったのである。そして、そうした分裂の中で、大きな役割を果たしたのは、フランスの武人であった。この本(「ダルタニャンの生涯」)は、そのフランスの武人に関する本である。即ち、デュマの「三銃士」の主人公ダルタニャンに実在のモデルが存在した事の指摘に始まり、ガスコーニュ地方出身の武人であったその人物の生涯を語る事で、その事を教えてくれる極めて興味深い一書である。そして、ダルタニャンのモデルであったその武人の人生の背景に在ったフランス西南部のガスコーニュ地方の精神と、そのガスコーニュ人たちがフランスの軍事、政治史に果たした役割を語る事で、中世からブルボン朝時代のフランスが、フランス革命後のフランスとは全く異なった、多様な精神と文化の国であった事を、この本は語ってくれるのである。かつてフランスと言ふ国が、武人の国であった事を知る為に、そして、その武人(サムライ)達の生き様に思ひを馳せる為に、この素晴らしい本を読む事をお勧めする。

(西岡昌紀・内科医)
ガスコン ★★★★★
武人の産地ガスコーニュからパリに上京し、武人として階段を登っていく男の物語。
縁故、売位売官、忠実、権勢家との結婚とドロドロとした世情のなか、一本筋の通った男は自らの人生を紆余曲折を経ながらも開拓していく。

超人ではない、ややもすれば普通の人の範疇に入るような男であるが、著者の著作により私のなかに造られた「ガスコン」というイメージにぴったり重なるのだ。
資料をもとに著者の考察が行われる形式ですが、とても読みやすい本です。また再読してみようと思う。異なる面が見えてくると思うから。