豹頭を持つ記憶を失った謎の戦士、双子の王子と王女を中心として、一巻ではまだ恐る恐るしか形を見せてはいなかった世界観が、ようやく明瞭な姿を見せ始める。まだたどたどしくは、あるが。
どんなに夢中で読んだろう?リアリズムを求める人々には縁の無い世界、緊迫感あふれる展開、謎めいたキャラたち。きらびやかな文体。
後に自分自身の中で無限ループし始め前進を止めた作者の、過去の美しき栄冠ともいえる時代を語る作品群の中の一冊。 作者も読者もともに熱い夢を見ていた。今、私はとうに夢から醒めたけれど。