すでに、100巻は越えるであろうことは明白の大長編シリーズ。
大長編といえばドイツSFのローダンシリーズが有名で
もう何百巻(笑)出ているか分からないが、あれは何人もの
作家の連作。一人の作家にによる小説としては、間違いなく
世界一長い。
長いだけなら簡単だが、僕のような中学からの何十年の長きに
わたる熱狂的なファンが、存在する。継続的に30万部以上が
定期的に売れる化物作品である。
おもしろさの秘訣を端的に挙げるなら、
①いつまでも終わることがないような大長編
②様々な登場人物やストーリーの断片が怒涛のように
一つに収斂していく物語作家としての力量
古くは『三国志』『水滸伝』や『モンテクリスト伯』のような
子供時代に「いつまでもこのまま終わらないでほしい」と
願った大河小説の興奮・熱狂が味わえることはうけあいです。
それでも初期は文体も硬く、ややヒロイックファンタジーの
世界観に偏っていて後半に広がる、政治陰謀や英雄たちの戦争
恋愛ラブロマンス、SFなどの様々な怒涛のような多重な世界観が
広がる予兆が、予兆のままで、なかなか初心者には読みづらい。
いまとなっては、80巻も読むのは・・・と尻込みする人も多いのでは?
でも、この3巻の最初の序章で描かれる文章を読んで、僕は、
この小説の目指すべき世界観が見えた気がして熱狂的に当時
30巻ほどだった作品を1週間で読み終えた。
ぜひ、初めての人は、この3巻の最初まで読んでみてほしい。