さすが、と言わざるをえないくらい面白いです。さすが、ひちわゆかさん。
表紙が石原理さんで、味のある良い絵なのですが最近の華やかな表紙とは一線を画しているように最初感じられて、こんなに面白い作品とは思いませんでした。（何かもう少し暗いイメージがありました）実際読んでいくうち、イラストにもどんどん引き込まれました（笑）
一旦読み始めるとぐいぐいとひっぱられ、文章についていくのが楽しくなり、思わず首が痛くなるまで読みふけりました。
話的には・・・惚れあった二人がお互いの立場や事情にお互いが振り回されている様を受け視点で描かれた作品です。（話的には受けが少し気の毒になるよう描かれてます）３部構成で３部目（攻め視点）が書き下ろしだそうです。
話的には受けも攻めもあらすじ通りのキャラですが、読み進むうちにもっと磨きがかかり、深みもでてきます。
二人の掛け合い漫才をこえるかのような会話がたまりません。まるでひちわさんが実際目にされた事を書きつづっているのかと聞きたくなるくらい二人のスタイルが確立されていて、ぶれてません。
細かいスタンスまでバッチリです。しかもそれが無駄にされる事なく、全て話に生かされてます。
読んでて爽快な気分になれます。
面白い作品が好きで、きらびやかな世界とは正反対の話が好きな方にオススメです。

それぞれにきっちり生きているキャラクターが 無駄なく弛みなくテンポよく絡んで 最高のラブコメです。
私的にツボだったのは有堂を罵倒する英彦の台詞。鰻やプリンで ここまで真剣に喧嘩できる熱さ…イイですねぇ(笑)これぞ正真正銘の痴話喧嘩!って感じで。


切ないお話もコメディーも さすがのストーリーテラーひちわさんです。

几帳面で神経質な受けが、仕事の能力と直感の天才、しかしズボラな攻めに何度愛想を尽かしても攻めも受けも惹かれあって、というような話。
受けは美人で仕事もばりばりできるクールビューティですが夜は淫乱になります。
攻めは豪快で単純で子供っぽい性格ですが、受けのことを普通にずっと想い続けていて萌えました。
まさに人妻と旦那……、でも恋愛はピュアな感じがしました。
受けも攻めも愛すべきキャラで、おもしろかったです。

無茶苦茶な攻ふぁけど、確かにすごく魅力的です！あ〜できれば続きも見たいわ・・

映画を観ているようなスピード感と娯楽要素が満載。
ちゃんと最後に（わかり易い）お約束まであって（笑）
難しいこと一切ナシのストレート勝負！という罪のないラブコメ。

私は攻がストレートな感情表現をする方が断然好きなので、有堂の傲慢かつ豪快な性格はかなりのクリーンヒットでした。
途中で弱さがチラ見するへタレ暴君が多い中、その徹底した暴君ぶりも良かったです。
インテリで堅物な、クールビューティー英彦の乱れっぷりが見事。
石原さんのイラストは文句のつけようがないほど素晴らしかった。
色っぽいシーンもなかなか濃厚で、焦らしに焦らして読者を引き付ける描き方は巧かったです。
攻が空々しい愛の言葉を云うでもなく、受もやたら女々しいわけでもなく、
日常とセックスの落差を重点的に書いているところは、大いにツボを刺激しました。
BL小説としてのポイントをきちんと押さえていて、落とすところもきっちり落とす。
娯楽小説として大変面白かったです。 ひちわさん、最近はあまり書いてらっしゃらないようで残念です。