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五分後の世界 (幻冬舎文庫)

価格: ¥560
カテゴリ: 文庫
ブランド: 幻冬舎
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光輝く一冊 ★★★★★
文学はジャンルを超越する

たしかそのようなお言葉あったはずです

高校生の時に読み、ひじょうに感銘を受けました

ありがとうございました。
5分後の世界の日本と現実の世界の日本 ★★★★☆
愛と幻想のファシズムに「なぜ日本は本土決戦をせず無条件降伏してしまったのか?なぜ国民は竹やりもって突撃しなかったのか?俺はこんな国にプライドは持てない」という会話が出てくるが、まさにそれを主題にした小説だと思う。
史実では行なわれなかった本土決戦を日本が経験し、8000万の命が奪われ、本土は分割統治され、生き残った26万の日本人が地下で未だに戦いを続けている。世界で日本人は伝説的に英雄視され、信頼され、尊敬されている。
こう書くと荒唐無稽な架空戦記で、ありえない設定にカッコイイ日本人を登場させ満足するような自慰的な小説に思われるかもしれない。が、まったく逆である。
僕が感じたのは現実の日本人に対する失望感だ。それは戦後日本人の堕落とかそんなレベルではなく、日本人という民族そのもに対する失望感である。
民族的な危機も、日本人という理由だけで目の前の親兄弟が次々殺される経験もしたことがない、どうしようもない甘さ、ヌルさ。
相手を知らず戦争を始め、自国の兵士を粗末に扱い、その癖早々に降伏して、日本の未来をアメリカに委ねてしまった日本人の無責任さ。
この小説の兵士が、現実の日本の状況を半世紀前の帝国軍のようだと称する場面が出てくるが、つまり現代と半世紀前の帝国軍とが繋っているのが現実の世界の日本人だとすると、繋がっていない、現代の日本人と半世紀前の帝国軍が変わっているのが5分後の世界の日本人なのだ。
この5分後の世界の日本人は、敵以上に敵を知り、生き残る事を最優先に考え、そして自分自身で未来を決断する。
勇気とプライドを持っているのだ。
それはバンザイ突撃や切腹のような無責任で実態のない勇気やプライドではなく、最善のことを認識しそれに向かっていく勇気とプライドだ。
村上龍は日本人にそれを学ばせる舞台として、8000万の同胞の死と他民族による日本本土の分割占領、入植という悲劇を用意したのだと思う。
それらを経験し、勇気とプライドを手にした日本人と、それを持っていない現実の日本人との対比を書きたかったのだと思う。
もちろん現実には8月15日に戦争は終わり、7年の占領の後に日本は独立し、現在1億2000万人の日本人が住み60年以上戦争を経験していない。
しかし「沖縄を犠牲にしただけで無知のまま生命を尊重できず何も学べなかったのかもしれない」日本人としてこの小説を読む時、架空の日本の鏡に写る現実の日本の姿が見えてくるのだと思う。
これが理想郷? ★★☆☆☆
パラレルワールド物というべきか”もし戦争が終わっていなかったら”というif物というべきか.
途中まではSF的な解説がなされることを期待しながら読んでいたが,そういう期待は裏切られる.

この小説はあくまで村上氏の国家観,あるいは人生観を表現したものであって
それ以上でもそれ以下でもない.
例えば,主人公は,このあり得ないような状況をわりとあっさりと受け入れている風に見える.
通常のSFであれば当然描かれるであろう,受け入れるプロセスの苦悩や
主人公による状況の考察,そこから脱出するための工夫というものは
一切描かれることはない.
ストーリーらしきものはあるが,オチもないに等しい.

作者が表現したいものは,あくまでアンダーグラウンドなる日本の国家像なのだろう.
ひょっとすると26万人という数字は
今の日本で,この世界の住人に匹敵するような使命感を持った人生をおくっている日本人は
そのくらいしかいないという村上氏の推測なのかもしれない.

ただ,この小説で描かれる日本はどちらかといえばディストピアであって
これを理想郷として共有できる世界観の持ち主は少なかろう.
そんなに良いですか? ★★☆☆☆
濃厚で重圧なストーリーを期待していたのに、がっかりしました。ファンのレビューが多いので叩かれそうですが、正直、これはすごくチープな小説だと思います。扱うテーマのわりに著者の信念が伝わってこない。どこか産業的な印象を受けました。
私には無理。 ★☆☆☆☆
読み始めも読み終わりも唐突だった。

いきなり別な世界に行ってしまうのは展開上、許せたとしても、あの終り方はないんじゃないかと思います。
結局、私の中には独特な世界観以外、何も読み取れず小説としても楽しめませんでした。

私の期待する方向が違ったのでしょうが、この本が著者自ら最高傑作と呼ぶならば、2度と同じ著者の本は読まないと思います。