クラシック・ギターのアルバムには、クラシック音楽とポピュラー音楽の両方から選ばれた曲を収めていながら、両者がとても自然に溶け合っているものが多い。この楽器で弾かれる音楽は、どんなジャンルであれ、「ギター音楽」という大きな世界の中でなかよく共存できるもののようだ。
村治佳織が20世紀のギター曲や映画音楽などを取り上げたこの『カヴァティーナ』も、そうしたCDの中の1枚。タイトル曲は映画『ディア・ハンター』で使われた美しいバラードで、ギターの巨匠ジョン・ウィリアムスの編曲を得て「ギター音楽」の仲間入りを果たした。単純ながら奥深く、意識の底に下りて行くようなメロディーが印象的だ。村治の演奏もこの曲の抒情性をよく表現している。
ポピュラー音楽からの編曲ものでは、ほかに映画『サウンド・オブ・ミュージック』からの「マイ・フェイヴァリット・シングズ」、映画『バグダッド・カフェ』からの「コーリング・ユー」があり、後者のハーモニクスを効果的に使ったアレンジ(ブルース・スターク、佐藤弘和)が聴きものだ。
ギターのためのオリジナル曲もいい曲が並ぶ。アンドリュー・ヨークの「サンバースト」には躍動するリズムの楽しさがあり、レオ・ブローウェルの「黒いデカメロン」にはインパクトの強さとスケールの大きさがある。しかし、村治の繊細さを味わいたいファンには、アントニオ・ラウロによる2曲の「ベネズエラ風ワルツ」がいいだろう。センチメンタルなメロディーが心にしみる。(松本泰樹)
聴きやすく美しい。新しくベーシック。
★★★★★
デビュー当時から村治さんには注目しており、たくさん聴いてきた。
その中でも、CAVATINAは村治さんのテイストにピッタリなのではないかと
思えた。
クラシックソングを弾いている姿も美しいが、こういった感情のこもった
美しいメロディを演奏出来る素晴らしい才能を開花させている。
何年も聴き続けられる殊勲の名盤。
ギターが好きな奴はこれだけでも良いからクラシックギターを聴け!
★★★★★
このアルバムは曲自体がダントツで良くキャッチーなので(TVやラジオなどのBGMで聴いた曲が何曲かあるはず)
癒し音楽としても申し分ないのだが、ギターを弾く人間ならもっと楽しめると思う。何故なら...
●リードギター(主旋律)
●リズムギター(アルペジオ系の副旋律)
●ベース(太い弦の開放音などを使ったルート音)
の「一人三役プレイ」を凄い速さでやってしまうという超絶テクニックに圧倒されちゃうからだ!!
音だけ聴くと二人で弾いてる様に聴こえるがガチで一人です。生で見たから間違いねえよ!(笑)
初期の4枚しか持ってない人間による薄っぺらな意見だが、
先述した通り曲自体が一番良い事と、その後のアルバムは他の楽器との絡みが多くなってそうなので
アンチクラシック的にはこれがベストと言える。
良作
★★★★☆
クラシックギターの曲のみ、
森に夢見る、が最高にきれいな曲です・
ぜひ聞いてみてください。
村治佳織の素敵なアメリカ音楽名曲集
★★★★★
村治佳織のアメリカ・ギター音楽名曲集。かつてCMにもなっていた人気の現代曲「サンバースト」から映画音楽の「カバティーナ」や「サウンドオブミュージック」からの編曲ものまで、多彩な選曲と確かなテクニック、しなやかな歌心、村治のギターの魅力があふれる名盤だ。クラシックとポピュラーをおりまぜた編集で、ギター音楽は初めてという人でも聴きやすい。南米のサグレラス、ラウロの曲は情熱的で親しみやすく、1度聴いたら忘れられないような旋律で、村治の演奏もいい。また「カバティーナ」の繊細なメロディの歌わせ方も素敵だ。但し、ひとつだけ気になるのは、このCDジャケットがあまりに少女ぽくて・・・残念。
ギターの良さを知りたい人に、まずお薦め
★★★★☆
村治の安定した技巧と無理のない表現がギター本来の魅力を表出する。「サンバースト」はリズミカルな音の動きが心地よい。「あるタンゴ弾きへの哀歌」は優しくも哀しいギターならではの情緒的な音楽。「カヴァティーナ」の心に響く旋律も聴き所。ミニコンポ推奨盤。