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スカイ・イクリプス

価格: ¥1,785
カテゴリ: ハードカバー
ブランド: 中央公論新社
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大人になれた草薙 ★★★★★
 短編集。まず目を引くのは、シリーズ全編で関わる登場人物、ティーチャーを主役に据えたもの。日常の雑務を大人としてドライにこなしつつ、飛ぶことには唯美的であろうとする。死と隣り合わせでもこういう人生はうらやましい。

 もうひとつ不気味な短篇。不時着したキルドレを救出する船員が夢の中で見る死生の俯瞰。その凄惨なビジュアルはシリーズだけでなく、森博嗣という作家を理解する材料としても面白い。

 最後の書き下ろし。普通の人間になったキルドレ(草薙)。過去の栄光であるキルドレだったころの日々を夢に見、起床して生きていることに安堵し嬉しさに涙する。その姿を惨めとみるか、祝福とみるか。
いい作品でしたよ ★★★★★
このシリーズを好きな人は読むべきなんでしょうね。

読み足りなかった物語のサイドストーリーが楽しめました。
「クレイドゥ・ザ・スカイ」の謎になっていた部分が解明されていますが、私個人としては謎のままにしておいて欲しかったですね。謎のままでも何ら不都合はないのですから。

たったあれだけで全てを繋ぎ合わせる手法には驚愕しましたが、それによって、この物語をどこにでもある、ごく普通の物語にしてしまいました。
願わくば、ラストは消化不良のままにしておいて欲しかった。物語の結末は読者に預けたままにしてほしかったですね。

読み足りなかった物語、世界観の補完という意味においてはとてもいい作品でした。
宣伝が邪魔 ★★★★☆
このシリーズの内容は本当に好きなのですが、
カバーの左下にくっついてくる
「スカイクロラ 全国ロードショー」みたいな宣伝が邪魔で不愉快です。

このシリーズのハードカバーの装丁は非常に綺麗で、
本の中身と外観とどちらからも潔癖な感性が感じられます。
それゆえ本棚にあるこのシリーズを見るだけで、
「綺麗なものだけ見ていたい」そういう感情を抱かずにはいられないものでした。

しかし最近付き始めた、その綺麗な空の中にあまりに無粋に浮かぶ宣伝文句。
空の中にまで「重い汚れ」が入ってきたみたいで非常な嫌悪感を感じてなりません。

なんでこういうことをするのかな
スカイ・クロラシリーズが大好きな方は是非に! ★★★★★
各種短編集でまとめられ、色々な登場人物の視点から書かれています。
ササクラの視点・ティーチャの視点・ミズキの視点・クサナギの視点の短編が大好きです。
あの後は・・・というような続きであったりと、シリーズを読んだあとに読まないと味わえない一冊です。
シリーズで、謎だった部分があって(感の良い方は気づいたかもしれないけど)
気づいていなかった私は、おぉ!?という解明される部分もあります。
で、また読み返すと(笑)
また、謎も増えますけどね。(え?じゃぁあれって・・・みたいな・・・)
切ないけれど、このスカイ・イクリプスを含めてスカイクロラシリーズといえると思います。
何度読み返しても飽きないスカイ・クロラシリーズの締めくくり。
クサナギのその後は涙・涙です・・・。
是非、スカイ・クロラシリーズを大好きな方には手に取っていただきたい本です。
文庫化されるのでしょうかね?
待てずに図書館で借りましたけど・・・。
あぁ、やっと解けた ★★★★★
「クレイドゥ・ザ・スカイ」で、森氏の術中に見事はまり、悩むばかり。
そして「スカイ・クロラ」のラストに対する
何とはない、やり場のない想いにも、依然として困っている。

私はそんな日々を送っていたのですが
この本によって、いくつかのわだかまりが、ほぐれていきました。

「クレイドゥ・ザ・スカイ」の謎の大半が
おそらくこの本によって、解けます。
逆に、これを読んでから、「クレイドゥ〜」に戻りますと
そのトリックの鮮やかさに、息を飲むばかりです。
「さすがにこのシーンのこいつがアイツだとは思わなかったよ!」という
箇所がポンポン出てきました。

そして、ただ謎が解けるばかりでなく
シリーズ全体を通し、読者の抱いた、いくつかのやるせない想いに対し
森氏が「それはここに置いたらどうだろう」と言ってくれるような
そんな作品群です。

初めて、語り手には、三人称が使われます。

あぁ、ついに最後の一冊なのか。
そう思うと、少し高かったけど、最後この綺麗な表紙の本にして良かった。