文庫でなくハードカバーで持っておきたい1冊。
★★★★★
よしもとばななの初期作品。
キッチンも衝撃でしたしよかったのですが、個人的にはこの本、大好きです。
特におばさん(ネタバレになるので、おばさんで通します)のゆきのちゃんのキャラクターが好きで、こんな大人になりたいと思っておりました。
今でもそんな幅のあるキャラクターになりたいし、好きだわと思います。
恋愛の部分もキラキラしたでもしっかりした思いの強さとか読んでいていいなぁと思えます。
家族の物語なのですが、恋愛の要素も濃くって年下の男の子に守ってもらえる憧れの設定。
全てがハッピーエンドで終わる物語。
好きです。
少女漫画のような
★★★★☆
弥生には、幼いころの記憶がなかった。両親や、弟の哲生がいろいろと会話していても、うまく思い出せない。ある日、ひょんなことから過去の記憶を取り戻した弥生は、自分に姉がいたことを思い出す。
その姉とは・・・。
姉との関係、哲生との関係、その二つが大きな主軸となって動く物語。読んでいる間は違和感なく読めるのだが、読み終わったあと、では、何が作者の一番云いたかったことなのかと考えると多少混乱した。
あと、ママレードボーイを思い出した 笑
吉本ばななの設定って、よくよく考えると少女漫画の王道ですね 笑
遠い日の記憶
★★★★☆
思いもよらない悲しみを受けて、記憶を封印してしまった弥生。
暖かな両親と弟と共に過ごしていても、何か心にひっかかるものがあります。
変わり者だけどなんとなく心惹かれるおばのゆきのの元に行き、共に時間を過ごすうち、大事な記憶を取り戻していきます。
弥生・ゆきの・哲生。。。
それぞれの登場人物たちがとても魅力的です。
ばななさんの繊細な感性には、いつも驚嘆させられます。
そしていつも、ホロッと涙がこぼれて、暖かい気持ちになります。
希望のある結末に安心しました。
この本に出てきた登場人物たちが、みんな幸せになってほしい・・・、
心からそう思いました。
優しいお話でした。
優しくて神秘的
★★★★☆
15年ぶりくらいに再読しました。
弥生、おばさん、哲生くん、正彦くん、弥生を育ててくれた両親。
みんなの優しさとまっすぐな気持ちは決して揺るがない。
確かなものに包まれて心地がよかったです。
超能力的な題材もうさん臭くなく、
自然にスーッと受け入れられるのがばななさんの作品の特徴。
しかもその神秘性が物語全体を不思議なオーラのように包み、とっても美しい。
姉弟として育てられた血のつながらない2人が恋をする、とか
教師と教え子の恋、とか
一歩間違えれば安っぽくなるエピソードをこんなにキレイに描けるのは、
やはり豊かな感性からうまれる繊細で美しい世界観にある。
“一つ一つの文章が愛しい”なんて感じさせてくれるのは、
ほんとにばななさんの本だけです。
15年前は気付かなかった。
よしもとばななは昔からちゃんとよしもとばななだったんだ。
今回の再読は、
彼女の明確な方向性はこのころからあったのだと気づくいい機会でした。
よしもとばなな効果
★★★★★
よしもとばななさんの本はたまに読むのですが、その中でも1、2番に好きな作品。何といっても彼女の作品を読むと確実に次の日からの自分の普通の生活がキラキラしてみえたり雨の日に出かけてみたくなります。主人公の心境を良い具合に追体験できるのでしょう。
よしもとばななさんの作品のハッピーエンドは予定調和に感じられてついて行けないことがあるのですが、哀しい予感ではそんなことも無く自然なラストでした。