小説家とは
★★★★★
岩に石で掘るように書く、と言うような事を
山崎先生がおっしゃってました。
最近は下調べもなしにお手軽に雰囲気で書いている
小説が売れているなか、何年もの調査と膨大な資料から
綿密に書かれたほぼ史実に近い大河小説です。
これぞ小説家の仕事!と尊敬する筆力です。
中国の文化大革命、残留孤児問題、時代に
翻弄されても誇りと実直さを失わない主人公に
感動しつつ「国家とは?」「家族とは?」と
考えさせられました。
その問いに小説の最後に主人公が答えてました。
私が尊敬して止まない山崎豊子先生の代表作です。
NHKのドラマも素晴らしかったですが
日中関係上描けなかった場面も小説には沢山あります。
若い世代に是非是非読んで頂きたい作品です。
中国在住の日本人にも是非読んでもらいたい。
★★★★★
以前、一巻だけ買って今回2,3,4とまとめて購入し、一気に読みきりました。
当方、上海在住6年ですが、筆者が取材をした80年代から90年代にかけて、これだけの中国の歴史や権力、
性質を調査ができたのは、今の改革開放に成功した現状でも非常に難しいと思います。
集団や組織の最大規模である国家というものの恐ろしさを感じました。集団や権力があると、人はここ
まで狂気に走ってしまうのかと。現在は平和な時代になっており、小説のような状況とは隔世の感があり
ますが、歴史は繰り返すといいますので、今後同じことがないとは言えません。
そうであれば、個人としてできることは、経済的に自由になることだと思います。国家に頼らずに生きて
いけるように、仕事や家族、資産を守るための努力を日々していかなければならないと思います。
筆者がさすがだなと思ったのが、中国側の交渉の精神やテクニックを描ききった所です。私も中国で仕事
をしておりますが、特に政府関係の仕事になると、「大国中国の今後の需要」を考えて、日方はどうしても
譲歩をしてしまいます。確かに、工具なんかはよく徴収されてしまいます。今でも中国人は交渉上手だと思
います。日方は、相手の状況を先回りして読む良い習慣と損な性格が同居しているので、その上を行かなけ
ればなりません。
小説の中でも契約書や文書の重要性がありますが、日本は島国で契約書が世界レベルと比較すると簡単す
ぎる商環境で育ってきているので、その辺のシビアさが大陸の多民族国家との違いが出てきていると感じました。
p.s. 日本政府の棄民政策を描いた「ワイルドソウル」もお勧めです。こちらは満州ではなく、ブラジルが舞台です。
中国という国
★★★★☆
陸一心がようやく労改から開放され、日中合同プロジェク宝華製鉄建設に関わっていく過程が
描かれている。新日本製鐵と中国政府の合同プロジェクト、宝山製鐵建設をモデルとしているのだが、
文化的背景も政治的背景もまるで違う中国人と仕事を進めていくことがいかに困難をきわめたか良くわかって興味深い。
夫婦の情愛、養父との情愛が細やかに描かれており、殺伐とした物語の中でほっとさせられる。
涙なくしては読めません
★★☆☆☆
波瀾万丈の壮大なストーリーが予想通りに展開して、まるで漫画みたいだと思いながらも随所で思わず涙してしました。現実味が希薄ですが、娯楽読物として面白かったです。
満蒙開拓団、文化大革命、残留孤児の問題を身近に届けた功績は大きいと思います。
涙なしに読めない
★★★★★
NHKのドラマを見て感動し本書を購入しました。
家族とドラマを一緒に見ていたのですが、本を買ってきたので家族も
驚いていましたが、みんな読みました。名作です。
歴史とは何か、アジアとは、そして家族とは何かを改めて
自分自身考え直しました。読みやすかったし、説明も多く良かったです。