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復讐と赦しのあいだ―ジェノサイドと大規模暴力の後で歴史と向き合う

価格: ¥3,360
カテゴリ: 単行本
ブランド: 信山社出版
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紛争後の(post-conflict)社会をいかにして立て直すか。 ★★★★☆
独裁体制で大規模な人権侵害が起こった後に民主体制に入った国は、新しい体制の下でどのようにして負の遺産を清算していくか。本書はこのような問題に取り組んでいます。基本的に考えられるのは裁判によって加害者を処罰し、それによって正義を達成することです。しかし、加害者同士が過去の事実を隠したり、場合によっては事実の発覚を恐れる加害者が政権転覆をもくろむ危険性があるため、裁判という方法には限界があります。これが、ラテンアメリカ諸国や南アフリカなどで共通して生じたジレンマです。

本書は、裁判の意義は認めつつも、その他の方法(例えば真実和解委員会の設置によって(場合によっては加害者の免責をしながら)事実を明らかにする、記念碑の設置など)の可能性を探ります。民主制に入って比較的時間のたっている日本のような国に住むものにも学ぶべき点が多くあります。また、国家レベルの問題でなく、個人間の問題にも示唆を与えてくれます。やや専門性が高いので難しいかも。

なお、巻末には訳者による解説のほかに、訳者二人による批判までついていて、それはそれで珍しいです。というより、こういう形式をはじめて見ました。