切ない話
★★★★★
まずは設定が凄いということ。そしてその設定を十分生かした作品になっています。
飼い犬と飼い主としての愛情の育み方、そのなかで全てをあきらめていた主人公が自分の孤独に気づき、求めて、幸せになるまで。
個人的に印象的なのは、主人公が望んで犬になるきっかけになる事件。
私は初めは「え?そんなことで?」と思いましたが、
生い立ちがわかるにつれ、納得し、その孤独に悲しくなりました。
作中で秘書が言っているのと同様、私ならどんなに金を積まれてもやらない。
でも、主人公は「犬として注がれる愛情」が勝るほどさみしかったのだと。
ちなみに、内容紹介の文章は実際の内容とはちょっと違うと思います。
2人の関係性がいい。
★★★★★
他の方も書かれていますが、SMでは無いので苦手な方もご安心を。
受けである三浦の置かれてる状況とかがすごく共感できました。
さすが榎田さん、グイグイ物語に引き込んでくれます。
脇役の岡さんも素敵な性格されていて大好きです。
題名からなんとなくずっと読まなかったけど、早く読んでおけばよかった・・
★★★★☆
「秘書とシュレディンガーの猫」含め、「Pet Loversシリーズ」一番最初の作品。
やっぱり毛色が変わった作品だった。いや、毛色が変わっているというより、おもわず自分も倖生のように犬となって可愛がられてみたいと思ってしまった私はなんなのだろう・・・。
お気に入りのラグ、口からのむ水、ただ可愛がられるという生活にはまってしまいたいと思わせるこの本、一種の洗脳本のようで凄い。凄すぎ。
人って本当に愛がほしいと束縛という結論に行き着くのだなあと、普段はちょっとネガティブに思われている「束縛」という言葉が、妙に熱く、切なく、そしてうらやましく思えた。
そしてやっと人間同士で向き合った二人のセックスシーンは、字面だけで熱すぎて汗出てくるほど真剣で濃いもの。ただお互い愛しているという気持ちが手に取るようにわかる。さまざまなHシーンを本で読むが、この本は、「きっとこういう風に愛されちゃったら本当に愛されているって伝わるだろうなあ」と実感できるもの。
束縛されるのが好きな方へ
★★★★☆
他の作品を読んで、このシリーズ、もしかして苦手かも・・・と思っていたのでこれは読むのに躊躇してたのですが、読んでみれば懸念してたBL的調教要素は無く(別の意味ではありましたが)、素直に読み進める事が出来ました。
なにより攻め轡田から、受けの倖生への束縛や愛情がひしひしと感じる事が出来て、切ないながらもドキドキします。最初から最後まで少しも飽きる事無く、二人が惹かれあい、結びつくまで少し涙しつつ読ませてもらいました。
調教されるのは辛そうだけど、犬になりたいと思わせてくれるくらい轡田の愛は深いです。
つい倖生と自分を重ねたくなるくらい(私は束縛されるの好きなんだと認識させてくれました)
なりたい。
★★★★★
蛇でシリーズ出そろいましたが、やはり犬が一番好みでした。
孤独、誰かを求めるせつなさ、過去、未来。
津波のように押し寄せる愛と、それを受け止める乾いた大地。
なんだかすごくドラマチックだったなぁ・・・
結局はユキの圧倒的な美貌ありきのお話ですけどね。
眼球を舐めるところには萌えまくりでした。
ああこんな飼い主にめぐり合えるならば、犬ほど素敵な商売はない。