理不尽だからこそ・・・
★★★★★
面白いです。シリーズでは犬の次に好きです。
縛られ耐えている主人公と、自由な獅子との対比。
主人公はとにかく耐えます。そして義兄の破綻っぷりは悲惨です。
それは逆に、一人で耐え続けた主人公の強さを示しています。
でも最後は一人では耐えられなかったと思う。
全てが明らかになってなお、最悪の結末を迎えなかったのは、
シンの支えがあったからだと思います。
虐待がひどいので、読み返すにはためらいがありますが、いい作品だと思います。
最後はほっとします
★★★★★
私はこの二人のお話はPet Loversシリーズの中で
2番目に好きでした。
ほんと受けが攻め以外からひどい目に合わせられるのですが、
読んでて義兄への怒りがわくものの、受けがひどい目に合わされる
話も読みなれてるせいか嫌悪感を感じるほどではなかったです。
この暴力に関しては肉体的なものが一番ひどく、精神的なもの、
性的なものも少し含まれます。
攻めの助けもあり最後はハッピーエンドなので私としては
そこでそれまで共感してた辛さは相殺されました。
このシリーズ、人間が動物に例えられる設定がかわっていて
おもしろいです。
ほかの皆さんもおっしゃるように、好き嫌いある内容ですね。
★★★★☆
あらすじ等については、申し訳ないのですが、他の方にお譲りいたします。(ごめんなさい)
お恥ずかしい話ですが、私は身近にこの義兄のようなロクデナシがいるので、この話を読んだときは、身のつまされるような思いでした。
まさに、この主人公のような感情になります。が、大抵の方はそんな状況にないでしょうから、「え?」となってしまうのは、いか仕方ないと思います。
そういう意味では、他の方が書かれているように、もう少し義兄に対しての描写があるとよかったのかもしれません。
視点が主人公にある以上、これ以上は難しいのかもしれないのですが。
個人的には、著者の人形の爪 眠る探偵 I (講談社X文庫 ホワイトハート)シリーズが面白いと思ったので、こちらに共感できる方にはお勧めできると思います。逆もしかり。
泣いても泣いても。
★★★★☆
シリーズ前作がとても面白かったので、今回も期待して購入。
読み進めるたびに、心臓が痛くなってしょうがなかった。
主人公に対する描写があまりにも酷過ぎて、かわいそうでしょうがなかった。
ここまでやるか?とも思える描写は多々見られますが、だからこそ、
やっと訪れる主人公の普通の恋の幸せに安堵することができた気がします。
キンと張り詰めたような空気を感じる、表紙のピンク色に惑わされてはいけない
思ったよりもハードな小説でした。
好き嫌いははっきり分かれると思います。
私にとっては、今年読んだ中で上位にランクする作品です。
痛い話は読者を選ぶ?
★★★★☆
Pet Loversシリーズの前作「犬ほど・・」で感じたことですが、主人公が犬として調教される過程の描写は、読み手の自尊心も傷つけられるように刺激されて、感情移入が容易ではないということです。それでも前作の主人公が徐々に美しい犬になっていき、飼い主と互いに愛を得てゆく様は感動的でした。あまり痛いシーンもなくて読者に支持される作品だろうと思いました。
対して、本作「獅子は・・」は虐待がテーマのようでしたが、主人公がすでに暴力に対してあきらめて受身一方でしたから、一段と感情移入しにくい作品だと思いました。いじめ続けることでしか千昭を繋ぎとめておけない義兄の自覚のない妄執、義兄への負い目と母を守ることが発端だったとはいへ、いじめられ続けて逃げる道を見出す気力さへ失っていた千昭、のっけから相当痛い話でした。
途中も、絶体絶命のピンチに陥るクライマックスも、ここまでいたぶるかと鼻白む一歩手前の主人公の境遇でしたが、Pet Lovers派遣のライオンの真クンの存在がこの作品をBLに留めてくれたと私は思います。『ありえね〜』設定なのはBLの常道。それでいいのだと思います。
救いのない千昭と義兄の関係がライオン真の登場によって変化し、真クンに救われながらも更なる悲しみを代償にして開放と自己再生を手に入れていく千昭は、ハッピーエンドにふさわしく強くなっていたと思います。
「ブルーローズ」のときもでしたが、エダさんが主人公を痛めつける時はケッコウ徹底的に陰険で、萩尾望都氏に似てるかなと・・・。(そういうお二人が、私すっごく好きなんですけど)話としては暗いけど、エダさんだから救いのない話は書かないだろなとある意味安心して読みました。小説としてもしっかり読ませるし、☆の数もこのへんで。