貴重本です
★★★★★
内容はページ数から古事記の走り書き的な抜粋ではありましたが、故石ノ森先生の貴重な絵で、昔(昭和)の学校の図書室に置いてある漫画教育本の作りで、とても懐かしく思いました。
新しい生命の息吹を得た古事記
★★★★★
改めて、石ノ森章太郎さんの感性と想像力には恐れ入った。まさに古事記に新しい生命の息吹を与えたと言えると思う。
石ノ森さんは、古事記は元々が漫画だと言う。ただ、彼が言うからにはその意味は深い。スペクタルな娯楽であると同時に遠大なるロマンであり、哲学でもあると思う。
さて、この古事記は上巻、中巻、下巻の内、上巻のみで、アマテラスの孫であるニニギの地上降臨、いわゆる、天孫降臨までである。よってヤマトタケルのお話までいかないが、私は古事記の最も良いのは、この上巻であると思う。
日本最古にして最重要な神話だけあり、やや細かな解説も省くわけにはいかず、読むのには多少の忍耐も要する。しかし、やはり普通の古事記の本とは違い、ダイナミックな躍動感と巧妙なジョークで楽しく読め、しかも、読後の印象は決して軽薄なものではなかった。
少年っぽいスサノオも素敵だし、女神様達の萌え姿も楽しかった。
やはり石ノ森漫画は素晴らしいと思った。
ストーリーは古事記の上巻のみです
★★★★☆
上巻だけなのが残念。まぁ1冊で収めるには仕方無いですよね。
しかし、上巻のみとはいえ結構細かく描かれていますね。脚注も多くて嬉しい。
既に古事記を読んだことのある人なら「お、これは」と思う箇所もあります。
字でなく絵なので、他の古事記の本で分かり辛かった描写が、本書で理解出来て嬉しかったですね。
本書には系図が載ってないのがイタイところかな。系図があれば「○○って誰の子だっけ?」といった時に見やすいですが、本書には無いので、ペラペラと該当ページを探す必要が……。
有難う!!石ノ森章太郎!!!
★★★★★
国卑洋尊の風潮の日本だが、古事記は世界に冠たる読み物だと思う。
少なくともギリシャ神話の上をいっている。
しかし、国内での知名度はギリシャ神話の方が上という状況だ。
本書は石ノ森章太郎氏が古事記について漫画で分かりやすくした傑作だ。
省略した部分はあるが、古事記全体を分かりやすく伝えていると思う。
日本人なら、日本の歴史?である古事記を知識として知っているべきではないだろうか??
難解な書を分かりやすくしてくれた石ノ森氏に深く感謝したい。
本書を国宝にして欲しい!!!
強〜い女の子たち……古事記の入門編としてはベスト
★★★★☆
石ノ森章太郎さんの描く古事記コミックス版です。
語り部の太安万侶氏がいい味を出していまして
古事記本編への突っ込みがなかなか笑わせてくれます。
時々石ノ森先生も出てきます。
要点をかいつまんだダイジェスト編ですが、
この漫画の特色としては
女の子にかかわったお陰で男の神様が歴史を動かす
というパターンが多かったこと。
実際古事記の女神様もこんな感じですが
この漫画ではそれをちょっと強調しています。
したたかで我の強い女の子、純然な乙女の涙で奮い立つ男の子。
個性的な登場人物ばかりですが石ノ森さんの独特な作風で嫌味に感じません。
最上神として天上天下唯独尊のアマテラスも微妙な匙加減で美しく可憐です。
肩の力を抜いて読める漫画ですので古事記入門編としてはベスト。
興味のある方は是非一読してください。