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井伏鱒二全詩集 (岩波文庫)

価格: ¥1,718
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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諧謔と悲哀の入り混じる世界。 ★★★★☆
井伏鱒二唯一の詩集『厄除け詩集』および拾遺詩篇を網羅した詩集である。

有名な『勧酒』は勿論、『逸題』『つくだ煮の小魚』など、
独特のユーモアのある語り口で、どうにもならないヒト・モノ・世界の境界線を詠う作風が素晴らしい。
多くの作品はいわゆる「詩らしい詩」ではないが、その詩情はまことに個性的である。

『厄除け詩集』は幾たびも出版され、出版されるたびに作者の訂正が加えられたそうだが、
出版のたびに書かれた序やあとがきも全て収録されているのが嬉しい。
巻末付属の穂村弘氏の手による解題『この世の友達への眼差し』は短いながらも井伏鱒二の詩の核心を衝いている。
詩人井伏鱒二の全貌 ★★★★★
井伏鱒二という「詩人」の全貌がやっと身近なものになった。私は彼の詩の一部しか知らなかった。今回の詩集は今まで一番充実していた「全集」のそれよりも「拾遺詩篇」19篇が付き、まさに「決定版」になっている。彼の詩は一言で言うと「個性の塊」である。そして一方では「柔らかい日本語」なのだ。そして時々「どきりとする表現」があり、時々「謎な表現」がある。

例えば「逸題」。「今宵は中秋名月/初恋を偲ぶ夜/われら万障繰りあわせ/よしの屋で独り酒をのむ    春さんたこのぶつ切りをくれえ/それも塩でくれえ…」この見事なリズム感、見事な庶民性。そしてなぜ「われら」が「独り」なのかという謎。

また訳詩という作業において、井伏はまだ誰も追い越していない換骨奪胎の偉業を成し遂げている。「ハナニアラシノタトエモアルゾ/「サヨナラ」ダケガ人生ダ」干武陵の「勧酒」を見事に訳したこれだけではない。「ドコモカシコモイクサノサカリ/オレガ在所ハイマドウヂヤヤラ/ムカシ帰ツタトキニサヘ/ズヰブン馴染ガウタレタソウダ」(杜甫「復愁」)今回彼の詩を全部読んで気づいたのはその詩の中に庶民から見た戦争の影がどうしようもなくまとわりついているということだ。これは井伏でしか書けなかった詩であり、もう現代では誰も書けない詩である。そういう目で見ると「つくだ煮の小魚」も「顎」も「春宵」も突然いなくなった者たちへのもの哀しくオカシイ鎮魂歌の様にも思える。のは私だけだろうか。

お求め安い価格です ★★★★★
「『サヨナラ』ダケガ人生ダ」でおなじみの「勧酒」が収録されています。(全詩集だから当たり前ですが…)
今までこの詩を読もうとすると、結構お高い本しかなかった訳ですが、この度、お求め安いお値段で提供されることになりました。
これは買い、でしょう。