肉体美ではない、機能美でも...まだ足りない
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amazonのページに、
シルビィ・ギエムのDVDが並ぶ。
まったく知らない名前、バレエのジャンルだということだけはわかる。
どうしてだろう?
...
...そういえば、佐々木忠次氏の『闘うバレエ』を検索したことがあった。
、きっと これだ。
...
なるほど。
これは、すごい。
スポーツをやったことがあれば、それが どんなスポーツの経験でも、からだが知っていること。
ある一方向に激しく動き続ける筋力は、その人の筋肉や腱の強靭さを証明しない。
強靭さを証明するのは、動きの方向が変化する時と動きを止めて静止を維持する時。
彼女の足の甲のしなやかさ、足首からふくらはぎの筋肉の発達のしかた、膝後ろから臀部につながる
一連の筋肉の形、前腕と上腕をつなぐ入り組む筋肉模様と興奮したコブラのような広がりを見せる
この部分。そして、ギエムの力強さの『証』である...着衣の上からでも、はっきりわかる...圧倒的
な背筋。肉体美ではなく、あきらかに上質、最上級の機能美をもった筋肉の群れ。
これだけでも説得力は十分なのだが、この筋肉の群れが『動き』をともなった瞬間に、すべて証明される。
...こんな観察など、言葉のお遊びにすぎないのだ。
あ〜、とんでもないものを目にしてしまった。
この美しさが、同じ時間を生きていたのだ。
迂闊だった。