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清唱千首―白雉・朱鳥より安土・桃山にいたる千年の歌から選りすぐった絶唱千首 冨山房百科文庫 (35)

価格: ¥1,470
カテゴリ: 文庫
ブランド: 冨山房
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凛然たる詩魂の所産 ★★★★★
アンソロジストとしての塚本邦雄の、単行本しては最大の仕事がこれである。一千首の和歌を収める。新書版なので持ち運びが可能。満員の通勤電車の中で立ち読みしては、多くの癒しの時を得た。自身の短歌作品では、歌の滅亡を何度も予言した彼が、序文である「千歌の序」では、「心ある人にとって、詩歌は永劫に新しい命を持ち続ける。」と断言している。記憶すべきことであろう。そして、本書の「埋もれてはならぬ価値を持ちつつ、ともすれば紛れ易い歌を、極力採り、かつその真価を称揚したこと」という方針は、同時代の若い作家たちの歌を称揚する結社誌『玲瓏』での選歌に通底していく。塚本は、つねに自らの詩魂以外に、いかなる権威にも右顧左眄しなかったのだ。997「夜もすがら心の行くへ尋ぬれば昨日の空に飛ぶ鳥のあと」仏国。
千年の黄金 ★★★★★
 千の歌を選び抜くという力量と、その的確な評釈。塚本邦雄の脳の中に折り畳まれ、秘蔵され、愛玩されてきた歌の数々。その膨大な世界をほんの少しだけだが、のぞかせてもらえるという至福。この千首に何ひとつ感じるところがなければ、日本語を使う資格はない、あえてそういいたい。千年の黄金のなかには、絢爛な雄渾も、薄明の渺茫も、玲瓏な蹉跌もすべて凝縮されている。この本を読むということは、これら千年の黄金に託された美意識と対決することでもある。その挑戦を受けてたつ気概がなければ、嗚呼、豚に真珠となるであろう一冊。