聴き終わっての感想は「感動」のひとこと。
私はこのブラームスの第2交響曲がとても好きなのだが、
このレコードは、間違いなく同作品のベストレコードのひとつだ。
今でこそ、サンフランシスコ響などの優れたオーケストラが
軒を連ねているアメリカ西海岸であるが、いわゆる5大オーケストラが
集中する東海岸に対し、この録音当時の西海岸は劣勢であった。
しかし、ここに記録されているのは、1980年代初頭のアメリカ西海岸の
オーケストラとは思えぬほどの、分厚い音のテクスチュア、
そこから浮かんでは消えていく美しい旋律。
ジュリーニ自身は自分は(楽団の)運営には強くないと言っていた様だが、
ここに記録されている演奏を聴けば、彼がオーケストラトレーナーとしても
一流であった事を再確認させられる。