上下刊一気に2日で読破
★★★★★
個人的には作家・北白川右京の浮き沈みと担当編集者の早見リツ子のやりとりが普段の浅田さんと編集者のそれと重なっているようで一番楽しめたのですが、ツアー参加者それぞれの個性の強さが物語の複雑さを軽減する要素となって楽しいままに読み進む事が出来ました。
「乱暴な警官は怖いけど乱暴なオカマはもっと怖い」
...私の中の一押し大ヒットな名言である。
その反動からか歴史物の部ではかなりシリアスモードに入って子供といえども肩書きのある家に生まれてしまった運命に逆らわず健気にそれを受け止めるルイの姿勢についうっかり涙してしまいました。
長編にも関わらず全体的に軽快ながらもあまりのしっちゃかめっちゃか振りに「どうやって最後を纏めるんだろう?」とハラハラさせられましたが、さすが綺麗な大円団で終わらせてくれました。
読破後の後味もすっきりとしたお薦めの一冊です。
マ・ブルゴーニュ
★★★★★
王妃の館でタイトルを示すのはこの小説だけ。少々コミカルに(特に下段では)書かれていますが、実際にボージュ広場、そして、実際に存在するマ・ブルゴーニュに行けば、ルイ14世の気持ちもが分かるような気がします。ついでにパリに行かれた人は、お隣のCARNAVALET博物館に行くこともお勧めします。
ドタバタと感動物語のブレンド。
★★★★☆
下巻に入って、物語がスピードアップするような流れでした。ツアーメンバーの一見不調和とも思える物語と17世紀に王妃の館に住んだプティ・ルイの物語が糸をつむぐように絡み始め、バラバラに存在した小さな輪が二つが一つになり、三つになりという具合に次第に大きなまとまりになってゆくような展開です。そしてエンディングでは、著者ならでは”お約束”の感動が待っています。ドタバタ、スラップスティックコメディと太陽王ルイ14世の知られざる物語が程よくブレンドされたフランス料理の味わいでしょうか。ちょっと決まらないギャグが気になりますし、他の作品と比較すると抜けているとは言いがたいような感じも受けました。ファンの方にはお勧めです。
笑えた
★★★☆☆
厳しい評価もあるでしょうが、笑えたのは事実。
「きんぴか」「プリズンホテル」「オー・マイガー」路線の中では面白みはないにしても、地下の部屋を伺う放屁には思い切り笑いました。
感動を期待せず、笑いを求めるならいい本です。
ストリーテイラーの面目躍如、特に下巻が素晴らしい。
★★★★★
さすがに、最後の結末が素晴らしい。又、解説の渡辺えり子さんのコメントも面白かった。「天国までの百マイル」・「ラヴ・レター」に負けずに感動した。